第73回:日本一の腸もみプロがこっそり教える!腸の驚くべきメリットとは?

IDEAストーリー

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このサイトでは、これから起業に興味のある方に向けて、成長のサービスを展開されている方、面白いサービス、商品を出されている方、各分野の実績を出されている専門家の方々にインタビューということで、各スペシャリストの方にお話を伺ってしまおうというような内容で、毎週お届けしています。

本日のIDEAストーリー。ゲストは、日本養腸(ようちょう)セラピー協会 会長 真野わかさん。日本養腸(ようちょう)セラピー協会では、腸に関するセミナーや腸揉みの普及活動などを行っております。真野さんに、事業内容や起業に至るストーリーを伺いました。

 

 

「養う腸と書いて、養腸(ようちょう)」

松本:現在どのような事業をされているのか、自己紹介をお願いします。

真野:体の中で唯一自分で揉むことのできる臓器が腸になりますが、腸を揉むということをメインに仕事をしています。心臓は止まったときに第三者が救急目的で揉むため、そこに気持ち良さはないのですが、腸に関しては、皮膚、皮下脂肪、筋肉の先(奥)にある腸を、気持ち良さを感じながらダイレクトに揉むことができます。

他の臓器は骨などに覆われているため揉めないのに対し、腸は直接揉むことができるため、腸揉みという手技をセミナーや施術で伝えています。また、元気な腸になるには、食事や心の有り様も関係してくるため、腸を養うための活動全般を養腸®(ようちょう)と名付け、腸揉みを広めています。

 

「健康あっての美」

松本:どのような方が腸揉みを知りたいと来られますか?

真野:自分のために腸揉みを知りたいという方、リラクゼーションサロンや看護師、ヨガインストラクターなど、他人に腸揉みを行いたい方などが講座にいらしてくださいます。腸はお通じなどデリケートな問題と直結する臓器とあって、男性よりも女性の方が腸揉みに関心があり、年代は30~40代以降の方が多い傾向です。

若い方であれば、美を高めるほうを優先されますが、30代以降は美だけでなく健康にも意識が向くようになります。美しさを追求するあまり、健康を損ねてしまっては意味がありません。健康あっての美だと思いますので、健康に関心を寄せる方が腸揉みに興味を持たれています。

 

「腸を愛する気持ちは東洋一」

松本:日本一の腸揉みのプロだとお聞きしましたが?

真野:誰が言い始めたのか分かりませんが・・・(笑)。ただ、腸を愛する気持ちは日本一、いや、東洋一だと思っています。これまでに5,000人以上の方の腸を揉んできましたので、お腹のつまり、冷えやむくみ、ほぐれ方など、触ってすぐに判断できるようになりました。

 

これまでの経験から、コンビニ食ばかりで暴飲暴食している方の腸はとても硬くてほぐれにくく、一方で、量は多く摂取していても、野菜中心であったり、無添加の食べ物にこだわっている方の腸は比較的早くほぐれるというように、食が腸の状態に影響を与えることも分かっています。

施術に来られる方は、便秘やガス溜まりを解消したい目的の方が多いです。ダイエット目的のサロンも多くある中、当店では腸揉みと腸を良くするための食改善を提案しています。その結果、自ずと痩せていったという事例も出ています。

 

「腸に寄り添う」

松本:腸揉みに関して、こだわっていることはありますか?

真野:腸に寄り添う施術にこだわっています。他店の偵察に行ったことがありますが、腸揉みを謳っているお店の施術はかなり強く、痛みが伴うものばかりでした。腸は痛くされると過剰な緊張状態となり、ストレスを感じてしまうため、とてもリラックスできません。

 

私たちの体には、興奮や緊張をつかさどる“交感神経”と、リラックスをつかさどる“副交感神経”があって、腸は副交感神経が優位のときにいい働きをしてくれます。腸がいい状態になることで体にとって必要なものの吸収や不要物の排泄ができたり、免疫機能が向上します。そのため、腸にとって心地良いリズムや強さで揉んであげることが必要になります。

当店の特長は、“腸の心地よさ”の追求です。対象は、生後1カ月の赤ちゃんから90歳を超える高齢の方まで、文字通り老若男女問わず施術が可能です。過去には、他人の家で飼われているネコやイヌの腸も揉んだことがあります。本能で生きている動物が逃げずにゴロンと仰向けになり、気持ちよさそうにしていました。ヒトの枠を超えた気持ち良さが私の施術の強みかもしれません。

 

「腸は健康に欠かせない器官」

松本:腸を揉むことでの効果はどういうものですか?

真野:まず、腸の仕組みを簡単に説明しますと、胃袋の先に、小腸の始まりである十二指腸があります。食べたものを消化して、消化したものを体のなかに取り込むのが空腸、回腸と呼ばれる部分になり、小腸は主に食べたものの栄養素を吸収します。吸収しきれないものは大腸に送られ、それを便として排出するのが大腸の役割です。

同じ腸という名前であっても、小腸はインプットの臓器、大腸はアウトプットの臓器なので、その役割は大きく異なります。腸を健康に保たないと、便の滞留やガスの異常発生、悪玉菌の増加、老廃物の蓄積などが起こってきます。老廃物を含んだ血液が腸から全身に行き渡れば、肌荒れや口臭・体臭の原因になったり、慢性炎症をはじめとする病気が起きやすくなります。

 

「医者からも一目置かれる腸揉み」

松本:腸揉みはいつごろから注目され始めたのですか?

真野:リラックスできる強さやリズムで腸を揉むことによって、本来の働きができるようになり、正しい吸収や不要物の排泄を促します。腸がいい状態になると、綺麗な血液が全身を巡るようになりますので、美しさや健康にも繋がります。

腸揉みがダイエットにもいい、と言うのは10年ほど前から耳にするようになりました。初めは、私たちセラピストが行っていましたが、近年はお医者さまも腸を揉むことに注目しています。その結果、メディアでも多く取り上げられるようになり、「腸揉み」という言葉がより広がっていったと思います。

 

「インドア派のキョジャッキー」

松本:これまでに至った、真野さんのストーリーを教えてください。

真野:小中高はとてもネガティブで愚痴が多く、すぐに人のせいにして、友達も少ないような子ども時代を過ごしていました。よく言えば、真面目で几帳面な完璧主義の性格ですが、裏を返せば融通が利かない(笑)。

精神的に打たれ弱く、健康診査では問題がなくても常に体調の悪さを感じていました。自己肯定感も低く、虚弱体質な自分を「キョジャッキー」と自虐的に呼んでいました。社会人になってからも体調不良は続き、休日は接骨院で、おじいちゃん、おばあちゃんに交じって電気治療を受けたり、保険適用内のマッサージを受けるだけで、あとはずっと家に引きこもるという超インドア派の日々を送っていました。

 

「手話講習会に参加して、スカウト」

松本:社会人としてはどういうことをしていたのですか?

真野:初めは、自動車関連の金融会社で約5年、人事採用を担当しました。その後、広告代理店の子会社に転職して5年ほど勤めました。転職のきっかけは、聴覚に障がいを持つ方を採用・雇用するために手話を学んだことです。

 

ハローワーク主催の手話講習会に参加したときに出会った方が私の退職を聞き、「うちに入らないか?」と声をかけてくれました。前職を辞めてから半年後のことでした。

転職した会社は広告代理店の特例子会社で、聴覚に障がいを持っている方が全社員の8割くらい在籍していました。今思えば、私の手話の経験を活かすことを配慮してくれたものだったと思います。

 

「独立するために最大限の努力をする」

松本:サロンのお仕事に興味を持ったのはいつですか?

真野:転職先でも慢性疲労は抜けず、マッサージに通う回数は以前より増えていました。自分でもなんとかしないといけないと危機感を感じ、リラクゼーションの世界に興味を持ち、技術が習得できるスクールに週末だけ通いました。技術は身に付いたものの実践できる機会がなかったので、思い切って退職し、リラクゼーションサロンで働くことにしました。

 

サロン入店から半年、自分の性格が災いして先輩スタッフとの人間関係がうまくいかず、辞めるべきかと思い悩んでいた矢先、最も苦手だった方が近々辞めることを聞いたのです。それを聞いて、まだ辞めずに残ることを選択しました。以前人事をやっていたので、勤続年数が1年未満は根気がないと思われやすく、次の転職先でもマイナス印象を与えてしまうことが分かっていたため、最低でも1年以上やってから(次に転職)、の思いで続けました。

将来的には独立も視野に入れていたので、売上や支払などのお金の管理や経営について、店長やオーナーにガツガツ聞いたり、自分自身にノルマを課し、目標を達成するためには何をすべきか常に考えて行動したりして、結果を出すことに力を注ぎました。入店から1年、店長が独立を機に辞めることになり、新店長を誰にするかという話になったときに、当時一番キャリアの浅い私がスタッフ全員から推薦され、店長を任されることになりました。

 

「人を信用することの大切さに気付く」

松本:店長になってから苦労したことはありますか?

真野:初めのころは、誰も信用せず、私が頑張らなければ、と肩ひじ張ったイタい店長でした(笑)。頑張りすぎて、ついに気持ちが切れ、心身ともに疲労困憊状態になってしまいました。自分だけではどうにもならないことにようやく気づき、自分だけで抱えるのではなく、スタッフを信用して任せようと気持ちを切り替えました。

完璧主義を捨て、自分が目指す合格点ではなく、その人のベストを出してもらうという風に考えを変えてから、お店が軌道に乗り始めました。信用されないで仕事を任されると、「どうせ信用してもらえていない」という気持ちになりやすく、いい結果になりません。「信用している」ことを言葉や態度で伝えることで、人は意欲的に取り組んでくれると分かりました。

 

「1通のファックスから転機が訪れる」

松本:独立するきっかけは何だったのですか?

真野:ある日突然、お店宛てに「ダイエット本を出版しませんか?」というファックスが届きました。当時の私は雇われ店長だったので、オーナー(男性)と出版社へ話を聞きに行くと、「多くのダイエット本が世に出ている中、残っているパーツは腸だけ」と、腸に関するダイエット本の出版依頼でした。

「面白そう」とオーナーが乗り気になって、出版の方向で話がまとまりました。著書名を誰にするかという話になったとき、男性名よりも、女性名のほうが関心を持たれやすいという理由で、オーナーではなく私の名前で出版することが決まったのです。思い返すと、あのときの1通のファックスがきっかけで、今こうしてここに居られるのだと思います。

 

「自身の施術にプレミアが付いた」

松本:著書を出されたことで変わったことはありますか?

真野:ライターさんと何十回も打合せを重ねて、2008年に出版され、多くのメディアが取り上げてくれたことで、私に施術してほしいというお客さまが増えました。当時、私と他のスタッフの施術料は同額でしたが、差別化するために、別の場所にプライベートサロンバージョンの支店を構えることになったのです。

このプライベートサロンバージョンに1年間勤務したあと、オーナーから独立を勧められ、お客さまとお店はそのままに独立することになりました。私たちの業界では、独立時にお客さまを引き抜くのは原則NGという暗黙のルールがあるのですが、店舗名を変えるだけで、ほかは変えずに独立できたのはかなりレアケースで、今でも深く感謝しています。

 

「東日本大震災で経営がピンチに」

松本:独立して苦労などありましたか?

真野:幸いなことに、お客さまもお店もそのままの状態で独立したため、起ち上げ時の集客を始めとする苦労はありませんでした。しかし、東日本大震災が起きたときは、「未曾有の大震災のときに、リラクゼーションする気持ちになれない」「計画停電で予定が合わない」という方が多く現れ、直前や当日の予約キャンセルが相次ぎました。震災から1カ月で20件以上のキャンセルが入って売上が大幅ダウン。「この状態が続くと存続は厳しい」という危機に直面しました。

 

「腸を揉むことのメリットを広めたい」

松本:日本養腸セラピー協会を設立したきっかけは何ですか?

真野:腸を揉むことで元気になり、健康になり、綺麗になり、喜んでくれる方が確実に増えます。これをもっと広めていきたいという思いが募り、2015年の7月に協会を設立しました。私の目指す腸揉みに理解や共感を示してくれる仲間を増やしたいと考えています。腸揉みの講座は、大きく分けて自分用と他人用があり、目的に合わせて受講いただいています。

 

「つまみ食いして手ごたえを感じる」

松本:これから起業したいけども、どの分野に進もうか迷っている方へアドバイスをお願いします。

真野:まずは自分が興味を持てること、好きなことに対象を絞るといいと思います。これをやったら儲かるなどの損得で動くと、良い結果は生まれにくいですが、ワクワクすることは続きますし人も集まってきます。

利益になるかどうかより、まずやってみるフットワークの軽さが大切です。きっちりパッケージングしてから始めるより、できそうなところからつまみ食いのように“ちょっとだけ”試してみて、手ごたえを感じてから本格化するというやり方もありだと思います。

 

「お金がないからできないは理由にならない」

松本:スタート資金はどれくらい用意したほうがいいですか?

真野:スタート資金はあったらあるだけいいと思いますが、お金がなくても、知恵や人脈があれば仕事はできます。今はパソコン一つあれば、自宅で起業できる時代です。「お金がないから起業できない」というのは理由にならないと思います。

 

「多くの人に幸せで健康になってほしい」

松本:今後の事業展開、仕事上での夢を教えてください。

真野:腸を揉み、食事を大切にし、心の有り様を整える “養腸®”の考え方に共感してくれる仲間をさらに増やしていきたいです。お腹を揉むことが、歯を磨くのと同じくらい、日常的に行う世の中になれば、病気になりにくい体づくり、病気になっても治りやすい体づくりが可能になり、日本が抱える医療費問題の削減にも繋がってゆきます。日本人の平均寿命と健康寿命の差は約10年ありますが、これはあの世に旅立つ前のラスト10年前後が「入院や介護を必要とする不健康な期間」ということです。

腸揉みを日常的に取り入れることによって、自己排泄期間が延長できれば、平均寿命≒健康寿命が目指せます。また、腸揉みを日本から世界に向けて発信し、より多くの方に幸せで健康に美しくなってほしいという壮大な思いもあります。

 

「ありふれているチャンスに気付けるかどうか」

松本:最後に、起業を考えている方へメッセージをお願いします。

真野:起業は「勢い」と「タイミング」と「ご縁」だと思います。これは!と思ったことやできるところを見つけて、着実に積み重ねてください。あのときやっておけばよかったという後悔よりは、やってしまったという反省のほうがはるかに良いです。

後悔の少ない人生を送るためにも、やりたいと思ったときが始めどきです。勢いで始めて、その後、修正しながら計画を進めればいいので、動きながら考える癖を付けてほしいです。そして、チャンスは至るところにあります。そのチャンスに気づけるかどうかも重要です。チャンスや運をつかむための直感力を磨きながら、チャンスのタイミング(ご縁)が来たときに躊躇なく飛びつける人が起業して成功できるのだと思います。

 

 

日本養腸(ようちょう)セラピー協会 会長 真野わか

腸セラピーなどの解毒系マッサージの施術を得意とし、数多くの施術経験から、腸を扱わせたら右
に出るものはいないほどのゴッドハンドの持ち主。これまでに5,000人以上の腸をもんできた腸もみのプロ。

「カラダの声を聴くセラピスト」とも呼ばれ、その技術はあらゆる身体部位において高く評価されている。現在、多くのメディアで活躍するほか、スクール講師、講演活動などを通じて、腸マッサージの普及に努める。

主な著書など
・日本一の腸もみプロが教える、腸もみで腸そうじ
・腸はなんでも知っている!
・腸のトップセラピストが教える1分腸マッサージダイエット
・ごろ寝で3分 バウエルマッサージダイエット
・真野わかのこの世でいちばんやさしく、キレイになる腸マッサージ

日本養腸セラピー協会
http://yocho-brew.org/

http://mano-libre.com/

 

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