第54回:ニッチなターゲットに絞ってメイドカフェを中心に事業を展開

IDEAストーリー

起業家のストーリーを追体験してもらおうという無料のインタビューサイトです。

このサイトでは、これから起業に興味のある方に向けて、成長のサービスを展開されている方、面白いサービス、商品を出されている方、各分野の実績を出されている専門家の方々にインタビューということで、各スペシャリストの方にお話を伺ってしまおうというような内容で、毎週お届けしています。

本日のゲストは、株式会社Side3 、代表取締役社長、茶漬けさん。株式会社Side3では、男の娘カフェ&バー「NEWTYPE」などの飲食店を事業展開しています。代表取締役社長を務める茶漬けさんに、事業内容や起業に至るまでのストーリーを伺いました。

 

本サイトでは、対談冒頭の一部のみダイジェストとしてお聴きいただけます。
※対談全編をお聴きいただくには、会員登録が必要です。

 

音声で聴くと、よりリアルに感じて頂けます。

 

 

「ニッチなターゲットに絞ったメイド喫茶」

松本:現在どういった事業をされているのか、自己紹介をお願いします。

茶漬け:秋葉原でメイド喫茶を3店舗経営しています。普通のメイド喫茶とは違い、女装したメイドさん、ぽっちゃり系のメイドさん、外国人のメイドさんといったように、ニッチなターゲットに絞って、メイド喫茶を展開しています。

 

「男の娘という言葉を生みだした」

松本:スタートは女装メイド喫茶からですか?

茶漬け:そうですね。女装メイド喫茶から始めました。男性が可愛く女装して、接客するスタイルの「NEWTYPE」というメイド喫茶をオープンしました。メイド喫茶のお客さんは男性が多く、女性が入りづらいというイメージだったのですが、「NEWTYPE」の場合は、女性が気軽に入店できるということが魅力のお店で、女装したメイドさんが好きな女性をターゲットにしています。女装男子を表現する、「男の娘(おとこのこ)」という言葉は私が考え、流行語大賞にノミネートされたこともあります。

 

「お客さんとのコミュニケーションが大切」

松本:気軽に来店できるように心掛けていることはありますか?

茶漬け:お客さんは、面白い空間、面白い人、女装した可愛い人を見てみたいという思いで来店される方が多いです。一人で来店されても気軽に楽しんでもらえるように、店の席は、あえて隣同士の距離を縮めており、お客さん同士の会話も生まれやすく工夫しています。そして、メイドさん自身がお客さんとのコミュニケーションを大切にしているので、居心地の良い空間が生まれていると思います。

 

「ガンダム仕様のポイントシステムで常連を掴む」

松本:何度も来店してもらえるように工夫していることはありますか?

茶漬け:ガンダムに模したポイントカードを導入しています。「NEWTYPE」は、最初のチャージ1,500円で飲み物が1杯ついてくる料金システムなのですが、ポイントが溜まり、ガンダムという階級になると、そのチャージ料が無料になるという得点があります。これまでに10人ほど、ガンダム階級になられた方がおり、常連さんを掴むことに成功しています。

 

「危険なことにも直面する仕事」

松本:お客さんのなかには色恋が目的で通う方もいらっしゃるのですか?

茶漬け:メイド喫茶ということで、お客さんがメイドさんを好きになってしまうということを懸念し、色恋ができないようなお店の雰囲気づくりをしています。メニューにも、色恋を楽しむ店じゃないということは記載しているのですが、お客さんのなかには、メイドさんを好きになってしまう方もいて、過去には、気持ちがエスカレートして、ストーカー行為に走ったりという事件もありました。

 

「女装のクオリティを重視」

松本:女装に興味のある人であれば働けるのですか?

茶漬け:女装に興味のあることは大前提ですが、私のお店では、クオリティを大事にしています。基本は、私より可愛いことですが、なかなか現れないのが現状で、巷では、「NEWTYPE」の採用基準は厳しいことで有名です。

 

「女装している人は年々増えている」

松本:全国に女装している人はどれくらいいるのですか?

茶漬け:正確な統計はないのですが、面白い例でお話すると、下着メーカーの通販の売上の4割は男性というデータがあります。一見、女性へのプレゼントとして、通販で下着を購入しているのかなと思いますが、実は、自分用に買っている男の人が多いことが分かっています。全国には隠れ女装家も含めて、女装する人口は増えてきていると思います。

 

「細い体系が嫌で女装に辿りついた」

松本:女装はどういうきっかけで始めたのですか?

茶漬け:私は体が細いことにコンプレックスを感じていて、なんとか筋肉をつけようと努力しましたが、筋肉はつかず、悩んでいました。そんなときに、SHAZNA(シャズナ)のIZAMさんを見て、男性が女性の格好をするという道もあるんだと気付きました。当時、私は学生で、容姿に関しては、学校のルールがありましたが、頭髪も短くしろと言われる、ギリギリまで伸ばしたり、靴も学校指定のもので最も厚底のものや、お洒落なものを選んでみたりするなど、できるところからファッションを変えていきました。単純に、自分が着たいものを選んでいったら、最終的に女装というかたちになっていき、もっと可愛くなれるという気持ちに変わっていきました。

 

「人には、女装に目覚める時期がある」

松本:女装する年齢層は幅広いのですか?

茶漬け:女装に目覚める時期というのがあって、思春期、20歳、40歳くらいと言われています。女装するきっかけは、文化祭で着てみたとか、彼女に女装させられたなど、様々ありますが、女装してみて気持ちいいとか、日ごろのストレスから解放されると感じるなど、そこからはまっていく人が多いようです。

 

「お客さんを巻き込んだ雰囲気づくり」

松本:初めて来店される方も楽しめるように心掛けていることはありますか?

茶漬け:とにかく初めての方はカウンター席に座っていただきます。すでにお客さんがいれば、あえて、お客さんの隣に座っていただき、常連のお客さんを巻き込んで喋ってもらえるように工夫しています。メイドさんにも、飲み物などを運ぶときは、お客さん同士が話しやすいような声かけをするなど、接客面での気配りも徹底しています。

 

「モデルの仕事を経験」

松本:これまでに至った、茶漬けさんのストーリーを教えてください。

茶漬け:高校時代に、モデルオーディションに出ないかと誘われて、出てみたら、メンズモデル賞を受賞しました。そのときは、すでにスカートを履いていたので、メンズもレディースも両方のモデルとして活動していました。表舞台に出ることも好きだったのですが、裏方として、人を直すことも好きだったので、周りのモデルさんの服の見せ方を指導したりなど、細かいことに気を取られて、モデル業はあまり続きませんでした。

 

「トレンドをキャッチする能力」

松本:大学卒業後はどうされたのですか?

茶漬け:大学卒業後は、レコード会社に就職しました。仕事内容としては、これから売れるであろうゲームを調べて、ライセンスを取得して、サウンドトラックを作るということでした。私はトレンドを予測する力が優れていたので、今後売れるであろうゲームや漫画、その他キャラクターコンテンツものを提案するものの、社長に、ほとんど却下されました。結果、私が予測した通り、そのゲームは売れて、提案が無駄になることが多かったため、自分の力を信じてくれない会社にいても駄目だと思い、退社しました。

 

「女装が流行ると分かっていた」

松本:レコード会社を退社されてどうされましたか?

茶漬け:漫画をたくさん読んでいると、女装男子が出てくるコンテンツはかなりの高確率で売れることに気づき、次は女装が流行るだろうということを感じていました。そこで、自分自身が女装して、男の娘(おとこのこ)になり、お店をオープンすることになりました。

 

「6時間待ちのイベント」

松本:女装を仕事にしようと思ったきっかけはありますか?

茶漬け:メイドさんの人数が不足しているときに、お客さんに女装してもらって、それが好評だったので、私と二人で、お店の看板となり、女装喫茶として、毎月2回イベントを開催していました。そのイベントが、6時間待ちの行列もできるほどで、『ロイター通信』も取材にくるくらいの盛り上がりを見せました。その後、これはいけると思い、本格的に女装メイド喫茶をオープンしました。

 

「女装に寛容な街でオープン」

松本:秋葉原にオープンしようとした理由はなんですか?

茶漬け:まず話題性を作りたかったので、例えば新宿二丁目に作っても話題にならない、じゃあ話題になる街はどこかと考えました。秋葉原は、オタク文化の最先端で、コスプレやメイド、アイドルに造詣が深いオタクが多くいましたので、女装が入ってきても寛容に受け入れられると結論付け、秋葉原でやろうと決めました。

 

「資金が0円でも工夫すればできる」

松本:最初の資金はどうされたんですか?

茶漬け:起業しようと思っていなかったので、0円からスタートしました。初めは、ディアステージ(今はでんぱ組で有名なメイドカフェ)というお店の営業していない時間(深夜など)を貸していただき、女装メイドカフェNEWTYPEをスタートしました。

そこではすぐに行列が出来るお店に発展しまして、深夜に行列を作らせるわけにはいかないと考え、もうちょっと大きな間取りの店舗さんを探しました。そんな折、Little-BSDというお店を見つけました。

 

そこディアステージより大きく、2階層(3階+4階)あるメイド喫茶で、3階は宴会場として機能していました。交渉し、この宴会をしている時以外の時間をお借りし、営業させてもらうことに成功しました。売り上げのパーセントをお渡しするという条件で成立しました。

秋葉原でお店を作りたいとなると、最低500~1000万円ほどかかりますが、このことにより出だしがほぼ0円でスタート出来ました。お金がなくても、夢をしっかりプレゼンし、やり方次第で起業できると思います。

 

「従業員の確保と事業展開が大変」

松本:その後、どのようにして3店舗まで事業拡大できたのでしょうか?

茶漬け:借りていた宴会場は、次第に宴会が入らなくなっていました。そんな感じだったので、それまでに貯めた200万円と親から200万円借りて、交渉しました。3階部分の敷金と居抜き内装費(経年劣化償却分を差し引いた金額)を支払うので、経営譲渡してほしいと。そのタイミングで会社化し、このお店は今に至ります。

 

しかし、困ったことに、メイドさんがなかなか集まらないのです。うちは「女装メイド喫茶」と銘打っている以上、女装のクオリティが非常に重要です。最初期に話題性作りのために、クオリティを女装界最大まで引き上げていたので、採用のハードルが高くなりすぎていたのです。また、風俗業ではないので、そういった職業についている子も採用できません。

また、能力がある子たちの給料を上げるため、他の事業を色々と模索します。女装メイク講座や女装ファッションの通販サイトを運営していました。通販サイトは、メイドさんにモデルになってもらうと、モデル代もタダになるし、可愛いので、クオリティの高いサイトづくりができたのですが、売上もあまり上がらないので撤退しました。

 

全員が全員色んな事業を同時に出来ません。メイドで培った知識メイド喫茶で昇華させるべきだと、初心に立ち返りました。出来る子は店舗のマネージャーにしよう。しようにも店舗は1つしかないから人事に困ります。しかしこんな状態ではとてもじゃないが二店舗目のスタッフを集めることができない。さらに二号店オープンでは話題性が弱すぎて二号店単体での集客が難しい。ではどうしよう。その子たちを引き上げるために二店舗目を増やしたい。初心に戻り、同じように、話題性を作れるメイド喫茶を考えよう。と街を歩いてて思いついたのがぽっちゃり系のメイド喫茶でした。 


オープニングスタッフ集めもNEWTYPEのお客さんや友人などを誘い確保できました。そしてこのコンセプトは思った通り、話題性ばっちりでした。 そして今年、同じように発想し、外国人メイド喫茶を作りました。 もうアイデア限界です(笑) 

 

 

「誰もやってないことに手を出すのなら」

松本:人が手を付けていないものを見つけるポイントはありますか?

茶漬け:足と鼻です。街をよく歩き、その街の本屋には何が面出しされているかを読み、その街に何故かないものを"嗅ぎわける"ことが大事だと思います。大多数にヒットする商品というのはもうすでにあるはずなので、そこで取りこぼしている層を考えていくと、多数派である私たちにとって興味もない少数が常識にとらわれない新しいものの発見となるはずです。

しかしながら少数派のニーズは大概はバラバラでまとまらないのでその少数派を今ある既存のサービスにいかに沿わせられるかが重要で、私自身もその嗅覚が優れていると思います。沿わせていれば、飢えた多数派が少数派に入ったり出たりできるようになります。沿わせないと、その少数派は隠れたままなのです。私は確かにその「ニッチ」である少数派をターゲットとしてスタートしましたが、今となっては、支えているお客様は多数派である所謂「普通」の方々です。

 

「メイド喫茶はやめておけ」

松本:これから起業したいけど、どんな分野に進んだらいいか迷っている方へアドバイスをお願いします。

茶漬け:メイド喫茶はめんどくさいわりに儲からないからやめておけということです。かなり器用にやらないと儲からないので、お勧めはできません。

 

「まずは、自分ができない分野を知ること」

松本:最初のスタート資金はどれくらい用意したほうがいいですか?

茶漬け:0円でスタートするにはコツが必要で、上記の方法で実際スタートしたとしても本来0円だと体力が持たないんですね。私の場合は、スタート前にいかに話題性を作れるかをとても重要視しています。どうすれば発売前からニュースに取り上げられるか、どうすればネット民が騒いでくれるか。つまり情報を投げないといけない。どこに投げればいいか。街の人たちが全員見る場所(無料であることが重要)に貼り、「こんなものあったよ!」と話したくなるような話題を考えた時に、私は今のスタイルに行きつきました。私が秋葉原で事業をスタートした理由は、アキバの人たちが全員見ていた「場所」を知っていたからです。

 

「芸能界で女装の枠が広がること」

松本:今後の事業展開、仕事上での夢を教えてください。

茶漬け:男の娘には無限の可能性を感じています。私は以前女装でコンパニオンをやっていたことがあります。実は世の中の女性は、派手なコンパニオンのことあんま好きじゃないんですよね。セクシーであればあるほど。しかしコンパニオンですから、派手で目立たなくてはなりません。

でも派手にすればするほど女性受けは悪くなります。と、そこに男の娘が混ざると、「え!?男なの!?」「すごーい」と言って途端に女性が集まってきます。そうすると他のコンパニオンは男性のお客さんに的を絞れるので、コンパニオン仲間からはすごく仕事がしやすかったと言われました。そんな感じで色々新しいことはドンドンできます。例えば女装アイドルなども面白いと思います。

 

いつか、女装のアイドルグループを作りたいなと思っています。そのために、まずは、誰か一人でも、可愛い女装でドーンと売れて、芸能界に女装の枠が増えていくことが願いです。今は、CMなどに女装したタレントを使うという傾向は少ないですが、徐々に増えて、ゆくゆくは、私が経営するメイド喫茶からもタレントが生まれることが夢です。

 

「女装は売れる」

松本:最後に、起業したい方へメッセージをお願いします。

茶漬け:メイド喫茶は儲からないからやめておいたほうがいいですが、女装は今後売れると思います。ぜひ、一度女装を体験してみてください。

 

本サイトでは、対談冒頭の一部のみダイジェストとしてお聴きいただけます。
※対談全編をお聴きいただくには、会員登録が必要です。

 

音声で聴くと、よりリアルに感じて頂けます。

 

株式会社Side3   代表取締役社長 茶漬け

子役として3歳からドラマやCM等で活躍。 その後、 コンテンポラリーダンスを薄井節子氏の下で4年間勉強。 2002年、h.NAOTOモデルオーディションで受賞以来、現在はモデルとして活動する傍ら、異端ポップユニットALI PROJECTのマネージメントクルーを勤めている。 ALI PROJECTの「亡國覚醒カタルシス」「聖少女領域」「わが臈たし悪の華」のPVにも出演し、以降マネージャーとしてやる方わらプロディーサーとして勤務。

唯一の女装メイド喫茶として有名な、女装メイド喫茶イベント「雲雀亭」を経て、独立しメイドカフェを設立。オープン初月で黒字。以降法人化、2店舗拡大、現在に至る。

その豊富なネットワークから、マスメディアやTV番組の取材を熟知。数多くの取材を獲得し人気を博す。以降現在に至るまで宣伝費は0である。シャングリラを作り、シャングリラでも同じ方法をメディアを活用し広告費0のまま初月から軌道にのる。

男の娘カフェ&バー「NEWTYPE」、ぽっちゃり系メイドカフェ&バー「Shangrila」、日本初の外国人メイドカフェ。メイドカフェを中心に事業を展開。

★日本初の外国人メイドカフェ!
▼Multinational Gaijin Made Cafe&Bar 「Sugoi Kawaii」
http://kawaii-akiba.jp/

▼男の娘カフェ&バー「NEWTYPE」
http://newtype.ms/

▼ぽっちゃり系メイドカフェ&バー「Shangrila」
http://shangrila-akiba.jp/


 

Pocket