第51回:7万円起業から7万人の顧客数を誇るクラフトバンド(紙バンド)専門店に成長させたストーリー!

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本日のゲストは、株式会社エムズファクトリー 代表取締役社長 松田裕美さん。株式会社エムズファクトリーでは、クラフトバンドの販売事業を行っています。代表取締役社長を務める松田さんに、事業内容や起業に至るまでのストーリーを伺いました。

 

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「クラフトバンド専門店」

松本:現在どういった事業をされているのか、自己紹介をお願いします。

松田:クラフトバンドという紙の紐をインターネットで販売しています。弊社で取り扱っている紙の紐は、お米が入っている袋を縛る米帯と呼ばれる紙紐です。今は、荷物を縛るときなどは、プラスチックバンドが主流ですが、昔は、紙紐を使って縛っていました。この紙紐に色をつけて、インタ―ネットで販売しており、展開している色の種類は200色あります。

 

「紐の幅が広いので手芸に向いている」

松本:クラフトバンドを使った手芸のメリットはなんですか?

松田:昔から、ビーズやトールペイント、編み物などの手芸は流行っていますが、お年を召した方はだんだん目が見えにくくなり、手芸が大好きであってもできなくなってしまう方もいらっしゃいます。しかし、弊社が取り扱っている紙紐は1.5センチと大きい幅の紐ですので、目が見えづらくなり、もう編み物や、縫い物はできないと諦めていた方でも、編みやすいと評判いただいています。また、もともとはお米を縛るような丈夫な紐ですので、バッグなどを編んだ場合も、とてもしっかりしたものに仕上がりますし、色も豊富ですので、同じ編み方でも作る人によって、個性的に仕上がることも特徴です、

 

「もともと手芸は大嫌いだった」

松本:クラフトバンドに出会ったきっかけはなんですか?

松田:私はもともと編み物や縫物のような手芸が大嫌いでした。細かい作業が苦手だったのですが、工作は得意で、小学校のとき、牛乳パックや段ボールで何かを作るなどが好きでした。クラフトバンドは、ボンドで貼って組むだけで、簡単にバッグなどができますので、細かい作業が苦手な私も虜になりました。

 

「色数の多さでライバル会社を圧倒」

松本:ライバル会社との差別化はどうされていますか?

松田:クラフトバンド自体は誰でも仕入れて売ることができます。ネットショップでは、お客様は1円でも安いほうを選ぶ傾向がありますが、だからと言って、値段を下げることで他店と競争していては利益は下がる一方なので、弊社の強みとしては、色数を豊富に揃えることでライバル会社と差別化しています。他店が70色くらいのバリエーションだとすると、弊社は200色取り扱っており、その数は断トツ1位です。この色数を実現するために、工場を何度も回り、交渉を重ねました。

 

「編む人を増やし、商品も売れる仕組み」

松本:協会も立ち上げていらっしゃるんですよね?

松田:編む人が増えれば、材料も売れるという考えで、編み方を教える先生を育成するための、クラフトバンドエコロジー協会という通信講座を立ち上げております。現在は全国各地に2,400人の先生が所属しており、各地でクラフトバンド教室を開催しています。また、世界中には、バナナの葉っぱで編んだ家や、農家の人が背負っているカゴであったり、いろいろな編み方があります。よその国のバッグを買ってきて、それを新品のままハサミで切って、どうやって編んであるかを独自で研究し、編み方をまとめた「100種類の編み方」のテキストを作成し、先生たちに習得できるよう配布しています。

 

「将来長く使える技術」

松本:100種類編めるとどうなるのですか?

松田:習得には平均8ヶ月かかるのですが、100種類編めるようになった方にはお免状を発行しています。今、いろいろな資格取得講座が流行っていて、私も英語習得やペン習字などを始めたことがあるのですが、高い料金を払っても、なかなか長続きしないのが通信講座だと思います。せっかく取り組むのであれば、自信がつくものにしたいという思いで、協会のテキストはあえて難しいものにし、100種類編み終わったときの達成感を感じてもらえるようにしています。また、弊社の資格を取ることで、定年退職したあとも、クラフトバンドの教室を開いたりと、自分で収入を得られるようなサポートができたらという思いで、編み方のテキストを作り、お免状を出すという取り組みをしています。

 

「先生としてのデビューを後押しする」

松本:協会の会員さんが先生になるためのサポートはどういうものですか?

松田:資格が溢れている世の中で、将来、ちゃんとお金になり、時代のニーズに合った資格でなければ、技術を習得する意味はないと思っています。弊社では、100種類の編み方の技術をマスターできますので、先生ごとにアレンジも利き、将来、教室を開いたときなども、編み方のバリエーションが豊富になり、飽きのこない教室運営ができると考えています。また、編み方の受講コースの料金は、各コース1万5,000円と安く設定し、多くの方に編み方を習得するチャンスを広げています。

実際のところ、弊社の利益はほとんどないのですが、生徒さんが自分自身で生計を立てられるように、徹底的にサポートしています。私自身も週末になると、先生を目指す方に、編み方だけでなく、集客方法やチラシ作成のコツ、コミュニケーションスキルなど、教室を開くために必要な知識を指導するために、全国各地を回っています。先生業ということに不安を感じている方もいらっしゃるので、そういう方が先生としてデビューするための後押しができればと思っています。

 

「一人の生徒が羽ばたけるまで見守る」

松本:集客方法まで指導されているんですね?

松田:世の中に流行している資格取得講座のほとんどは、お金を払って、資格を取得すると、その先の就職の手伝いをしてくれるところはほとんどありません。私はそれでは駄目だと感じ、ちゃんと最後まで面倒を見てあげないと、資格を販売する仕事はやってはいけないと思っています。弊社では、徹底的にサポートするために、生徒さん一人ひとりに編み方の進捗状況を確認し、分からないところなどはないか聞いたり、質問があれば、編み目の拡大画像を印刷して送ってあげたりなどしています。また、先生デビューしたいけど、自信がないという方のためには、すでに先生として活躍している方を紹介し、会社でイベント出店代は持ち、一緒にイベントで教えるという経験もしてもらっています。一人の生徒さんが将来的に羽ばたいていけるように、サポートを手厚くし、見守っています。

 

「90歳の方も資格を取得」

松本:所属している先生の年齢層を教えてください。

松田:99%女性で60代以降の方が多いです。100種類の編み方を習得するためには平均で8ヶ月かかりますが、昨年は90歳の方が資格を取得され、「これからが私の第二の人生なの」という言葉をいただきました。生徒さんは、別の仕事をされている方や、専業主婦、介護中、子育て中、様々な方がいらっしゃいますが、それぞれ時間を作って、一生懸命編み方の習得に励んでおられます。

 

「手軽さが魅力のクラフトバンド」

松本:クラフトバンドを始める方はどのようなところに魅力を感じているのですか?

松田:私自身の経験でもありますが、いざ趣味で手芸をしようと思うと、道具を揃えるだけで何万円とかかり、少ないお小遣いの専業主婦には大きな出費でした。しかし、クラフトバンドを使った手芸は、材料も安く、道具も多く必要ありません。弊社で取り扱っている紙紐は10メートル買っても110円からですので、500円あったら、道具も揃って、カゴができるという、安さが魅力の手芸だと思います。生徒さんのなかには、安くチャレンジできますので、いろいろな作品を作って、インスタグラムに投稿している方もいますし、お知り合いにバッグなどを作って、プレゼントされる方もいます。紐の色が豊富ですので、プレゼントを渡す相手の好みの色で作ることができ、喜んでもらえると人気です。

 

「自分の居場所が見つかる」

松本:たくさんの種類を編めると自信に繋がりそうですね?

松田:協会の会員さんは60歳以上の方が多いのですが、60歳以上となると、仕事もないし、周りとなかなかコミュニケーションが取りづらいというのが現状です。しかし、クラフトバンドを通じて、近所の方に作品をプレゼントしたりするうちに、「今度、注文していいかしら」なんていう言葉をもらったり、クラフトバンドがコミュニケーションのきっかけにもなっていると思います。周りの人に認められると、自分の居場所が見つかり、人生がイキイキします。私自身もこの仕事を始めるまでは、趣味は草刈りでした。お小遣いも少なく、何もできなかったなかで、手軽にできるクラフトバンドに出会い、自分の居場所を見つけることができたと感じています。

 

「きっかけは保護者会での出会い」

松本:松田さん自身がクラフトバンドと出会ったきっかけはなんですか?

松田:長男の学校で、お茶を飲みながら何かを作るという保護者会がありました。私は手芸が苦手だったので、参加するのが嫌だったのですが、引っ越してきたばかりということもあり、交流を深めることを目的に参加しました。行ってみると、「今日はカゴを作ります」と言われて、無理だ、できないと思ったのですが、ボンドをつけて、上下に編んでいくことの繰り返しで、2時間であっという間にカゴができたのです。それが私とクラフトバンドの出会いです。

 

「ママ友が家に集まるようになった」

松本:編み物の先生になるきっかけはありますか?

松田:保護者会でクラフトバンドと出会ってから、クラフトバンドの虜になり、独学でいろんな作品を作り始めました。あるとき、子供の友人が家に遊びに来たとき、その友達のお母さんが「そのカゴは自分で作ったの?私にも教えてほしい」と言われて、編み方を教えてあげました。その後、噂が街中に広まり、ママ友が我が家に集まり、私が編み方を教えるということを頻繁に行うようになりました。

 

「指導者としてスタートするもボランティアだった」

松本:その後、指導者としてどのような経験を積んだのですか?

松田:私がクラフトバンド手芸を教えられるということが街中に広まり、公民館で指導してほしいという依頼がきました。当時は、編み方の技術は3種類しか習得していなかったので、ボランティアで指導にあたっていました。しかし、受講生がどんどん増え、100人ほどになったところで、紐の用意などが追いつかなくなり、ボランティアではやっていけないと感じ、少し受講料をいただこうと思ったのですが、「この間までタダだったのに」とか、「その程度の技術で」と言われてしまいました。

確かに、3種類程度の技術しか持っていなかったので、何も言い返すことができなかった私は、ちゃんと技術を磨いて、紙紐も安定して仕入れるようにすれば、何も文句は言われないだろうと思い、必死で行動しました。紙紐の仕入れ先を探すために、全国のタウンページを取り寄せ、片っ端から製紙会社に電話し、私の思う希望の紙紐を作ってくれる会社を探しました。

 

「周囲とのいざこざで起業を決意した」

松本:起業したきっかけはなんですか?

松田:紙紐の取り引き先が決まったり、自分自身も編み方の技術を磨き、生徒さんからも受講料をいただけるようになるなど、順調に仕事も増えてきました。あるとき、産婦人科から出産祝いとして、おむつを入れるカゴを編んでほしいと大口注文がありました。

 

それを近所のママ友に内職として編むのを手伝っていただいていたのですが、これまで友達だった関係が仕事を発注する人、受注する人という、上司と部下のような関係になってしまい、それをよく思わないママ友からありもしないような悪口を近所で言われるようになりました。私としては、そのママ友の家計が少しでも良くなればと思い、お仕事をお願いしていたのですが、それが気にくわなかったようです。

しかも、その家の娘から、私の娘がいじめられるようになってしまい、「ママがそんな仕事をしているから私がいじめられるの」と言われたときは、もう辞めようとまで思いました。しかし、私が中途半端にやっているからいざこざが起きると思い、しっかり会社にすることで、周りにもしめしがつくし、子供たちも安心して学校にいけるということから、起業を決意しました。

 

「ありがとうと言われる幸せ」

松本:起業するという覚悟を持てたきっかけはありますか?

松田:クラフトバンドを始めたころは、起業しようとはまったく思っていませんでした。しかし、編み方を教えていくなかで、「松田さんともっと早く出会っていたら、私の人生はもっと楽しかった」とか、「あなたに会えて良かった」という言葉をいただき、家族でもない第三者から、そういう声が聞けるということが幸せだと感じました。そして、生徒さんのワクワクした表情を見ていると、なんて素晴らしい仕事なのだろうと思い、会社の起業と共に、協会も立ち上げ、より編み方の技術を多く提供しようと考えました。

 

「田舎でも楽しんでもらえるように通販にした」

松本:起業当初は何から始めたのですか?

松田:田舎の方でも紙紐が手に入れることができれば、クラフトバンド手芸を手軽に楽しんでいただけると思い、紙紐を販売するネットショップを始めようと思いました。起業当初の資本金は自分のお小遣いから貯めた7万円でしたが、近所のパソコン教室のおじさんに、今では考えられないような破格値の3万円でネットショップ制作を依頼し、ホームページを開設しました。当時は紙紐の色も20色と少なかったのですが、開設初日に7万円の売り上げがありました。

 

「メディアに出ることで商品の認知度が上がる」

松本:商品が売れるコツはありますか?

松田:編み方を知ると、みなさんどんどん編み始めるので、編み方を掲載した書籍の販売にも力を入れています。書籍の裏表紙には、弊社のホームページを掲載しており、それを見た読者の方が商品を購入していただくという流れです。また、私自身もラジオやテレビなどのメディアに出演させていただいています。会社の認知度も上がると、商品の売上も上がってきますので、お手頃価格で商品を出すことよりも、まずは社長自身が広告塔となり、知ってもらうということが大切だと考えています。

 

「寝ても覚めてもやりたいことを仕事にする」

松本:起業したいけども、どの分野に進もうか迷っている方へメッセージをお願いします。

松田:まず、儲かりそうだからという理由での起業はやめたほうがいいということです。社長は、社員や商品、お客様、すべてにおいて責任があり、泥臭い仕事だと思っています。どんなことがあっても立ち向かえるように、寝ても覚めても楽しくてしょうがないことを仕事にすべきです。私自身、編むということは、寝なくてもやり続けられることであり、そのくらい好きだったから、今までどんなに大変なことがあってもやってこられたと思っています。最近は、遊ぶためのお金欲しさに起業している経営者も多いですが、90%以上の会社が3年以内で無くなっているという統計が出ています。遊ぶことは20年先でも構わないという覚悟で、必死に働ける人が起業すべきだと感じます。

 

「編み物の先生を海外に増やすことが夢」

松本:今後の事業展開、仕事上での夢を教えてください。

松田:今は国内に流通する分だけの材料で精一杯なのですが、ゆくゆくは海外への流通も考えています。海外にも紙紐はあるのですが、日本のように品質が優れていませんし、無形文化遺産で和紙が登録されたこともあり、日本の紙紐にも注目が集まっていると思います。また、協会にも海外の生徒さんが増えてきたので、海外にクラフトバンド手芸の先生を増やすことも夢です。世界中には様々な編む技術があるので、材料を海外に提供できるようになったら、いろいろな国にクラフトバンド手芸の先生を増やしていきたいですね。

 

「失敗を恐れず挑戦すること」

松本:最後に、起業を考えている方へメッセージをお願いします。

松田:寝ても覚めても、明けても暮れても、ご飯を食べなくてもやり続けられることでないと仕事は続かないと思います。3年くらいは給料も休みもいらない。と言えるくらいの覚悟。また、失敗は成功のもとではなくて、失敗したら会社は倒産するんだという覚悟を持ってほしいです。

常に緊張感を持つ必要はありますが、挑戦する気持ちを大切にしてほしいと思います。会社が倒産するほどの大きな失敗にだけは気をつけて、それ以外の小さな失敗は失敗と思わず、チャレンジしてください。私も失敗したらどうしようなどとは、あまり考えたことがなく、何事も絶対いけると思い、これまで進んできました。嫌なことがあっても、命は助かったとプラスに捉え、人のせいには絶対にせず、落ち込んでいる暇があれば、仕事をしています。起業して成功することは、簡単なものではありませんが、実のある経営者になるには、どれだけ腹をくくれるかが大事だと思っています。

 

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松田裕美

株式会社M’s Factory代表取締役社長 
一般社団法人クラフトバンドエコロジー協会代表理事

7万人の顧客数を誇るクラフトバンド専門ネットショップを運営。クラフトバンド手芸の指導者育成や制作技術の普及に努める。全国でセミナーを開催し、クラフトバンド手芸を広める活動を行う。かごやバッグなどの編み方を紹介するレシピ本を多数刊行。テレビ番組にも多数出演。


激安・格安 クラフトバンド(紙バンド)専門店
http://www.shop-msfactory.com/

松田裕美の著書一覧

 

 

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