第48回:コンビニのコピー機で電子新聞を印刷できる「eプリントサービス」

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本日のゲストは、株式会社ビジネス・インフォメーション・テクノロジー 代表取締役 山口幸雄さん。システム開発や電子出版事業などを行っています。代表取締役の山口さんに、事業内容や起業に至るまでのストーリーをお伺いしました。

 

 

 

「ITを軸に事業展開」

松本:どういった事業をされているのか、自己紹介をお願いします。

山口:弊社では、システム開発、ITのアウトソーシング、人材派遣、電子出版のITを軸とした3本柱で事業を展開しています。現在、力を入れているのは、電子出版事業で、タブレットやパソコンで電子新聞を閲覧できるシステムを作る事業と、コンビニのコピー機で電子新聞を印刷できる「eプリントサービス」という事業をさせていただいております。タブレットなどの電子端末が普及してきたといっても、まだまだ紙で書籍を楽しみたいという要望も多く、コンビニのコピー機で電子新聞を印刷できる「eプリントサービス」は売上も伸びています。

 

「ギャンブル系の電子新聞が人気」

松本:コピー機で印刷される書籍はどんなジャンルが人気ですか?

山口:人気のあるジャンルは、競馬新聞や、競輪などのギャンブル系のコンテンツです。例えば、競馬新聞だと、馬の状態や過去のレースタイムなどが細かく記載されており、文字が小さいため、紙に印刷して、じっくり読みたいというニーズが、「eプリントサービス」の人気が出ている理由だと思います。

 

「ネットとコンビニ両方で購入できる」

松本:御社の電子出版の強みはなんですか?

山口:電子新聞のコンテンツの種類が豊富ということと、ネットとコンビニの両方で購入できるということが強みです。コンビニのコピー機で印刷される方は、お年を召した方や、家にプリンターがなく、大きく印刷できないという理由で、コンビニのコピー機を利用していらっしゃる方が多いです。「eプリントサービス」は出版社と利益を分配する、レベニューシェアというかたちで収益を上げています。

 

「ファックスで新聞を購入していたときに今の事業が思いついた」

松本:「eプリントサービス」が生まれたきっかけはなんですか?

山口:私は競馬が好きだったので、昔、競馬新聞を購入していました。しかし、当時は、ファックスで誌面が送られてくるものだったため、文字が潰れてしまい、読みづらいなと感じることも多く、誌面が電子化されて、コンビニで印刷できればなと思ったことが、今の「eプリントサービス」に繋がっていると思います。

 

「フリーでプログラミング開発を行っていた」

松本:今に至った経緯を教えてください。

山口:私はコンピューターの専門学校に通い、プログラム言語を学びました。講師をやっていた先生にスカウトされて、その先生の会社に入社し、プログラマーとして育てていただきました。24歳ごろに父が他界し、それをきっかけに茨城に戻り、茨城でフリーのプログラマーとして仕事を始めることになったのですが、東京のほうが仕事はやりやすいと感じ、上京を決めました。

 

「お客様からの要望で生まれた派遣事業」

松本:その後、東京で起業したのですか?

山口:26歳ごろ、今の専務と一緒にシステム開発の会社を起業しました。一度お仕事の依頼を受けたお客様からのリピートもあり、仕事は順調に進んでいきました。起業して、2年目ごろ、お客様からITに関する人材派遣はできないかと要望があり、そこから派遣事業を立ち上げて、今では弊社の事業の柱の一つとなっています。

 

「リーマンショックで経営難に陥る」

松本:経営するにあたって、苦労した時期はありますか?

山口:時代の流れに沿って、売上も毎年、増収増益できていたのですが、2008年のリーマンショックの際は、経営が困難に陥りました。売上も6割ほどに落ちてしまい、何とか立ち直ろうとして、新規事業を計画するも空回りするなど、私自身も精神的に落ち込む日々が続きました。

 

「立ち直るためには、やらない我慢も必要」

松本:困難を乗り越えるためにどうされたのですか?

山口:経営難を解消するために新事業を考えたいという願望も出てきましたが、闇雲にやっても、何でもうまくいくわけではないので、やらない我慢も必要だと感じました。なんとか立ち直れた背景としては、銀行に丁寧に対応し資金調達したり、地道な努力で業績を回復していけたことだと思います。

 

「苦手な業務は外部に相談する」

松本:これまでに壁はありましたか?

山口:派遣事業を始めて、業績は順調に伸びていきましたが、売上10億円突破の壁は高かったです。派遣というものは人材がいて初めて成り立つ事業ですが、採用のノウハウを十分持っていなかったため、十分な人数を採用できず、事業が伸び悩みました。その後は、採用が上手な方にサポートいただいたりして、業績を安定させることができ、自分が苦手な業務は外部に相談してみるのも重要だと感じました。

 

「好きなことを仕事にする」

松本:仕事をやるうえでのモチベーションはなんですか?

山口:私はギャンブルが好きなので、ギャンブル関係の媒体を電子新聞で扱えているということは仕事をしていて楽しいです。好きなことを仕事にすると、アイデアも湧いてきて、新しい事業も思い浮かびやすいと思います。また、営利団体なので、売上のこともしっかり考えないといけませんので、利益を出すということにもモチベーションを感じています。システム開発はシステム作り、納品して、それで終わるということも多いですので、お客様と納品後もお付き合いできるようなフォロー体制などを構築し、そこでまた収益が上がるような仕組みづくりにも、現在力を入れて取り組んでいます。

 

「eプリントサービスの対応媒体は350以上」

松本:「eプリントサービス」は何種類くらいの媒体があるのですか?

山口:ギャンブル系、地方紙、エンタメ、スポーツ、旅行など幅広く取り扱っており、現在は350を超える媒体をコンビニのコピー機で印刷できます。昔は、店頭で買うことが主流だった、アイドルのプロマイドもコピー機で印刷できるようになっています。もし、自身の媒体を「eプリントサービス」で提供したいということであれば、JPEGやPDFを弊社に送っていただき、契約するという流れで出版というかたちになります。

 

「収益が安定して出せる分野を見つける」

松本:起業したいけども、どの分野で起業したいか迷っている方へアドバイスをお願いします。

山口:どんな分野でも、起業したばかりのときは苦労を味わいますし、起業時は資本力もないですので、安定した収益を生み出せるようなビジネスをベースに事業展開したほうがいいと思います。私は専門学校時代から学んできたITエンジニアをベースに起業しましたので、技術があること、好きなことで起業できたことが、今に繋がっています。自分の力を発揮して、安定した収益が出せる分野を見つけてほしいです。

 

「自分たちの報酬は確保する」

松本:起業時のスタート資金はどのくらい用意したほうがいいですか?

山口:ビジネスの内容にもよりますが、私は起業時、仲間二人で1,000万円を用意しました。自分たちの報酬を確保し、ある程度は食べていける金額を用意したほうが安心かと思います。

 

「電子出版事業を伸ばしていきたい」

松本:今度の事業展開や仕事上での夢を教えてください。

山口:コンビニの「eプリントサービス」を伸ばしていくということは当然ですが、システムの保守事業ということも力を入れていきたいと思っています。昼夜問わず、コンテンツ会社から電子出版の資料が送られてきますので、24時間365日対応できる体制は作っています。今後は、このノウハウを活用して、様々な会社のシステム保守の仕事を受注していければというのが夢です。そして、電子出版のコンテンツを増やして、コピーできる場所を増やしていきたいとも考えています。

 

「自分にベクトルを向け、覚悟を持つ」

松本:最後に起業を考えている方へメッセージをお願いします。

山口:私は、覚悟という言葉をよく使うのですが、どんなときでも覚悟さえ持っていれば、心は折れないと思っています。経営者として、どんな状況でも自分の責任で判断しないといけませんので、覚悟をしっかりと持ち、何があっても他人のせいにせず、常に自分にベクトルを向けてほしいと思います。諦めなければ、いつか報われるはずです。

 

 

起業におすすめな本/社長の「1冊」

伸びる会社は「これ」をやらない! 

近年のマネジメント論の主流を、真っ向否定する上司・社長本です。
最近では、部下のモチベーションを維持・向上させ、ホメて育てるのが上司や社長の仕事、ともされがちですが、そもそもなぜ、上司が部下の機嫌をとらねばならないのでしょう?
そんな素朴な疑問に、「そんな必要はない! そもそもそんなマネジメント論がおかしいのだ! ! 」と小気味よく、納得感を持ってぶった切ってくれる1冊です! !

 

株式会社ビジネス・インフォメーション・テクノロジー 
代表取締役  山口幸雄

昭和49年3月29日 東京生まれ 千葉県立柏高等学校卒業
独学にてITキャリアを蓄積。2001年 株式会社ビジネス・インフォメーション・テクノロジー設立。

私たち「BIT」の大切にしているもの、それは『笑顔』です。仕事も遊びも普段の生活も、『笑顔』の数が『幸せ』の根拠であり、それはビジネスの世界においてもしかりです。

社員の『笑顔』お客様の『笑顔』
自分にかかわる人々の『笑顔』
そして自分自身の『笑顔』

これらをどれだけ多く作れるかに真剣に取り組んで今があると思っております。つらいとき、悲しいときだってもちろん人間ですからたくさんあります。そんなときに対峙する『笑顔』をどれだけ愚直に探し、実現できるかが人間力そして会社の力だと、とっても短絡的かもしれませんが真なることだと思うのです。

ですが簡単なことではもちろんありません、私はそのたくさんの『笑顔』を築くために「人と人とのつながり」をモットーとしてきました。会社の規模も大きくなり、その分多くの仲間そしてお客様との『つながり』が増えたことはとってもうれしいですし、これからも増やしていきたいと思ってます。そしてその積み重ねがより大きな対象としての『社会』への貢献に続くものだと信じております。

株式会社ビジネス・インフォメーション・テクノロジー 
https://www.b-it.co.jp/

電子出版(電子新聞・電子書籍・電子雑誌)ポータルサイト|e-SHINBUN(イー新聞)
http://www.e-shinbun.net/

 

 

 

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