第40回:世界初のストローベイルハウス村誕生!| Peace Villa(ピースヴィラ)

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本日のゲストは、株式会社エコハウス、代表取締役社長、神橋和弘さん。株式会社エコハウスでは、「お客様の希望に合わせた家づくり」というテーマでリノベーション事業を行っています。

代表取締役社長を務める神橋さんに、事業内容や起業に至るまでのストーリーをお伺いしました。

 

 

 

 

「物件探しからリノベーションまでをお手伝い」

松本:現在、どのような事業をされているのか自己紹介をお願いします。

神橋:お洒落な若い方や社長様、中高年の富裕層の方をターゲットとした、リノベーションの会社をやっております。新築というよりは、中古の家を思い思いの間取りや自分らしいデザイン、スタイルにしたいという要望を叶えるために、物件探しからリノベーションまでをワンストップでお手伝いするということを事業内容としています。20年近くやっており、工事自体は1万件以上の実績がある会社です。

 

「日本一のリノベーション会社を目指す」

松本:会社の強みを教えてください。

神橋:日本一のリノベーション会社になるという目標を掲げて、社員が熱い思いを持ち、仕事に取り組んでいるということが強みです。お客様の要望をいかに家づくりに再現できるか、お客様に喜んでいただくために頑張っています。

 

「お客様の生きざまを家に表現する」

松本:これまで施行された、お客様の声を教えてください。

神橋:「人生が変わった」という言葉をいただいたこともあります。私は以前から、ただ単に性能がいい家づくり、型が決まっている家づくりということに疑問を持っていました。私は家づくりとは、その人の人生を表すものだと思っています。

例えば、社長さんだったら、家づくりを始める前に、何をやってこられた方なのか、人生のルーツを聞かせていただいて、それを家に表現するような工夫も行っています。家づくりはお客様が幸せでないとできないものなので、お客様のことをしっかり知って、信頼関係を築き、お客様自身も家づくりに参加していただくことで最高の家ができると思っています。

 

「トカイナカで自然を感じられる村づくり」

松本:「PeaceVilla」という村づくりが進行しているそうですが、詳しく教えてください。

神橋:これは私の家づくりから計画がスタートしたのですが、何軒かの世帯が集まって、自然を感じながら暮らすというコンセプトで「PeaceVilla」という村づくりが進んでいます。

埼玉県の鳩山町というところにあって、都会にもほどよく近いながらも大自然に囲まれた土地、いわゆる「トカイナカ」という場所になります。自分自身が都会に住んでいて、体力的にも精神的にもおかしくなった時期があって、どうしてそういう状態になるのか調べたことがあるんです。

 

有名な実験結果を例で挙げると、鉄筋コンクリートと木造の校舎の学校を比較した際、木造の校舎の学校のほうが校内暴力の発生率が低いというデータがあります。つまり、木のエネルギーというのは、人間の心に良い作用があるということが分かり、私も自然溢れる場所に住んでみたいという思いで、この「PeaceVilla」という村を作ろうと思いました。

 

「国内でも珍しいストローベイルハウス」

松本:「PeaceVilla」にあるストローベイルハウスは国内にどれくらいあるんですか?

神橋:ストローベイルハウスとは、藁(ストロー)を圧縮したブロック(ベイル)を積み重ねて、土と漆喰で塗って仕上げたエコロジーハウスのことです。解体すると土に還り、ほとんど産業廃棄物を出さないので、究極のエコロジーハウスと呼ばれています。国内には100棟ほどあると言われていますが、「PeaceVilla」に七棟建築予定ですので、ストローベイルハウスの集落という意味では世界初ということになります。

 

「コミュニケーションが苦手だった」

松本:それでは、今に至るまでの神橋さんのストーリーを教えてください。

神橋:小さいころから社長になるというのは決めていました。24歳のころ証券会社から住宅業界に転身したのですが、対人恐怖症だったので、それを克服するために営業職に就きました。最初はコミュニケーションが苦手だったので、成績も最悪だったのですが、いろいろと工夫するうちにトップセールスと呼ばれるまでになり、対人恐怖症も改善できました。成績も良くなってきたので、自分でも会社を経営したいと思い、その後、起業しました。

 

「未経験のこともできると信じて取り組んだ」

松本:どういった事業内容で起業したのですか?

神橋:外壁塗り替えの営業の経験があったので、リフォーム会社を起業しました。しかし、会社員時代は外壁塗り替えのみの営業だったので、その他の知識はない状態でスタートしました。事業を進めながら、他のリフォームに関する知識を覚えていくという、一見無茶なように思えますが、当時、自分はできるという思いが強かったので、とにかく明るく元気に一生懸命仕事に取り組みました。ありがたいことに、お客様にはとても応援していただいて、事業を軌道に乗せることができました。

 

「飛び込み営業からスタートした」

松本:起業時はどのように周知したのですか?

神橋:前職で飛び込み営業の経験があったので、最初は飛び込みでチラシを持って、営業活動を行っていました。その後は、一度、利用していただいたお客様からの紹介も増えてきました。

 

「社員の裏切りで性格が変わってしまった」

松本:その後は順調に経営は進んだのですか?

神橋:最初は便器交換やクロスの貼り替え、外壁の塗り替えなどの事業を行い、売上は初年度1億円、2年目で4億円を突破することができました。売上自体は良かったものも、経営について、何も勉強することなく進めてしまった結果、社員から売上を横領されるという事件が起きてしまいました。

倒産の危機に陥るほどで、その後は8年ほど自転車操業が続き、私自身も人間不信になり、それまで穏やかな性格だったのですが、周囲に怒鳴り散らすほど、性格まで変わってしまいました。

 

「経営の勉強をして、会社が変わった」

松本:会社が良い方向に変わったきっかけはなんですか?

神橋:それまでまったく経営について勉強してこなかったので、しっかり会社を運営するためにも、経営の勉強を始めました。私は、お客様との人間関係は築けていたのですが、社員との人間関係を築くことができていなかったので、経営理念、経営戦略の作り方を学び、それを社員と共有するということなどを行いました。コーチングやカウンセリングなども学び、社員と面談する機会も増やし、コミュニケーションを増やしていったということも会社が良い方向に変わっていったきっかけです。そして、何より人に感謝するということを学びました。

 

サンキューカードというものを作り、社員に対して、ありがとうの気持ちを伝えるようにすることで、社内の雰囲気も良くなっていったと思います。

1日30枚サンキューカードを渡そうとノルマを決めていたので、社員だけではなくて、最終的には道を歩きながら、道にありがとうとか、家を見ながら、この地域の人たちに食べさせてもらっているんだなど、あらゆるものに感謝するようになり、人間不信だった私自身も穏やかか気持ちになれたと思います。

 

「会社の業績は社内の雰囲気とリンクする」

松本:会社が良い方向に変わることと業績はリンクしますか?

神橋:経営について学んでいたセミナーで社風診断というものがありまして、最初のころは8段階中で最悪の評価だったのですが、経営について勉強していくうちに社風も改めて、その後、最高の社風だと判断していただきました。

売上を横領されて人間不信になったものの、逆にその出来事がきっかけでしっかり経営について学ぶことができ、最高の社風を掲げることができました。社風が良くなると、会社の士気も高まりますので、業績も良くなったと思っています。

 

「実現したいことはビジュアル化する」

松本:その後、「PeaceVilla」という構想が生まれた背景を教えてください。

神橋:期限を決めたり、数値化したり、文章にしたりなど、様々なビジョン達成法があると思うのですが、私は絵や写真を貼って、ビジュアル化するようにしています。

「PeaceVilla」の構想が生まれた背景も、大自然のなかで自然素材の家に住みたいなと思ったときに、フォトショップやイラストレーターを使って、村のイメージ写真を作り、それを見える場所に貼っておきました。いつまでに作るなどの期限は決めていなかったのですが、貼って、ビジュアル化して2年後、急にぱっと動き出して、その日から土地探しなどを進めていきました。

 

「ビジョンをプレゼンする」

松本:ビジョンを達成にするためのコツなどはあるんですか?

神橋:毎日コツコツやるのは苦手なので、ただビジュアル化して壁に貼っておくということが私には向いている方法でした。他にビジョンを達成するためにやっていることとしては、経営者の仲間同士でそれぞれ持っているビジョンをプレゼンする大会みたいなものを主催しています。自分の思いをプレゼンすることで、気持ちに拍車がかかり、実現まで近づいていくという効果があると思います。社内でも社員同士で夢を語り合う機会を設けています。

 

「夢中になれることを見つける」

松本:起業したいのですが、どの分野に進もうか迷っている方へメッセージをお願いします。

神橋:私も社長になりたいと思っていましたが、何の分野で起業するか迷っていました。私は会社員を5社経験して、今の事業に至ったわけですが、今やっていることを極めるというのが一番早いのかなと思います。あとは、戦略的に優位な分野を探すかどうかですが、最終的には好きなこと、夢中になれることが一番いいと思います。

 

「急に大きくしすぎない」

松本:最初の資金はどのくらい用意したほうがいいですか?

神橋:私は300万円で開業しました。最初のお金が300万で少なかったということはなかったのですが、会社自体が急成長したために、お金に人が群がり、社員から横領され、お金に苦労した経験もあります。最初の資金は300万くらいでいいと思いますが、急成長すると失敗するケースもあるので、しっかり経営を勉強するということは大切です。

 

「お客様が幸せになれるリノベーション会社」

松本:今後の事業展開、仕事上での夢を教えてください。

神橋:弊社の家づくりというのは、今の建築文明と逆の作り方をしていまして、新しい建築文明のようだと感じています。我々の考え方というのは、お客様を幸せにしてから、お客様自身と家を作ることを大事にしています。

お客様自身が設計やデザインに参加することによって、その家に愛着を持てると思いますし、専門家である建築会社が家づくりはこうだと押しつけるのではなく、お客様の住みたい家づくりや、お客様の生きざまを家に表現したりすることによって、家は生き物になるという思いで、家づくりを行っています。そういう家づくりが社会現象となることを目指していき、デザインリノベーション会社の日本一になることが夢です。

 

「本気でやることが大事」

松本:最後に起業を考えている方へメッセージをお願いします。

神橋:迷わず行けよ。行けばわかるさ。

 

 

 

株式会社エコハウス  代表取締役社長  神橋和弘(かんばしかずひろ)

新しい時代の建築家。代表作「くものいえ」

早稲田大学政治経済学部卒業。
平成11年、株式会社エコハウス設立。独自のブランド「ひとつだけのわたしスタイル」を確立。平成26年、エコハウスを後進に任せPeace Villaを建設。「いのちに寄り添う家づくり」を提唱。現在、不動産と建築を含めた「住み替えセッション」と「いのちに寄り添う家づくりセミナー」を中心に活動。

クライアントの神髄につながる『本質理解力』、発想力研修の大御所も驚愕した『クリエイティブな提案力』、「立地の不満足は建築ではカバーできない」と徹底的にこだわる『不動産の目利きの確かさ』は『人生を大きく変えるほどの住み替え』を演出すると定評がある。

家づくりには満足度の5段階があることを解明しモデル化。『HappyをDesignしよう‼』をリリース、同インストラクター。2015年よりPeace Villa はとやまを建設中。

 

 


 

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