第76回:セルフキャストであなたのビジネスはグンと加速する!
IDEAストーリー
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このサイトでは、これから起業に興味のある方に向けて、成長のサービスを展開されている方、面白いサービス、商品を出されている方、各分野の実績を出されている専門家の方々にインタビューということで、各スペシャリストの方にお話を伺ってしまおうというような内容で、毎週お届けしています。
本日のIDEAストーリー。ゲストは、株式会社プラウドコンサルティング 代表取締役 千種伸彰さん。株式会社プラウドコンサルティングでは、映像制作・映像に絡めたコンサルティング事業を行っております。千種さんに、事業内容や起業に至るストーリーを伺いました。
「映像編集×コンサルティング」
松本:現在どのような事業をされているのか、自己紹介をお願いします。
千種:私は以前、テレビ制作に携わっていたこともあり、その経験を活かして、映像制作のお仕事をしています。また、コンサルティングも行っており、映像に絡めたコンサルティングということが、私の強みです。携わっている仕事のなかに、ハッピーロード大山商店街を盛り上げるために、2011年から月1回生放送をやっています。
バラエティー番組で取り上げるような、グルメ系はもちろん、大山都市伝説と名付け、街の謎を追求していくコーナーや、お笑いタレントの方とコラボして、お店でコントをやってもらうなど、あらゆる思考を凝らした長寿番組になっています。私はもともと報道番組担当だったので、今では、バラエティー番組を通じて、地域を盛り上げることに楽しさを感じています。
「マスコミの取材を受け入れることで街が盛り上がる」
松本:ハッピーロード大山商店街はどのような商店街ですか?
千種:以前、商店街の通行量調査を実施したことがあり、全国的に商店街の通行量は減少するなかで、ハッピーロード大山商店街は年々微増しています。よくテレビ番組の街角インタビューが撮影される場所として、新橋のSL広場や新宿が多いと思いますが、実は、ハッピーロード大山商店街もそのうちの一つです。
私が大山商店街の活性化に携わる前は、取材数ゼロでしたが、私も窓口になりますから頑張りましょうとお願いし、ロケ地として受け入れることになりました。その結果、今では年間300以上のマスコミが商店街で撮影されており、メディア露出が増え、街が盛り上がってきたと思います。
「様々な要素を商店街で試してみる」
松本:番組の企画づくりはどのように行われているのですか?
千種:商店街関係者と番組スタッフが集まって、企画会議を行っています。ゼロからアイデアを考えるというよりは、商店街の翌月のイベントに合わせて、ネタを作ったり、出演者を決めたり、5から10個の企画を作って、撮影の段取りを話し合っています。
また、他の番組でやっている要素を取り入れたり、映画予告編のパロディを商店街バージョンで作ってみたり、映像を通して楽しむことを重要視しています。基本的に、声、動きはもちろん、動いていないものでも映像として伝えることはでき、地域の方も協力的なので、企画会議で出たアイデアで断るということはほとんどないです。
「映像配信は思いを伝える武器になる」
松本:千種さんが出版されている『セルフキャスト!ビジネスを加速させる動画配信』はどのような本ですか?
千種:一昔前は、ブロードキャストという考え方で、映像を配信することは、テレビ局であったり、大企業が莫大な制作費をかけてCMを作るということが主流で、プロフェッショナルが集まって映像を作っており、それはそれで楽しかったのですが、放送という制約がある時代でした。私がインターネットと出会い、国際映画祭をプロデュースさせてもらったときに、まだカクカクの映像配信でしたが、日本だけではなく海外にも配信できることに感動しました。
見ず知らずの人に自分の作った映像を見てもらえるという喜び、この感情が起点となり、映像というものが地域を元気にするツールとして使えることを、ハッピーロード大山商店街で実践し、このノウハウを多くの方に伝えたいという思いから、『セルフキャスト!ビジネスを加速させる動画配信』を出版しました。
「影響が出やすい動画配信をビジネスに活かす」
松本:出版されてから反響はありましたか?
千種:YouTubeが広まってきたこともあり、この本を読んでくださった方は、映像の可能性を感じてくださっていると思います。大企業が映像をYouTubeにアップすることは定着してきましたが、個人でもフェイスブックやインスタグラムなどで自己表現できる時代になり、そこの掲載した動画からビジネスに繋がることもあります。
ピコ太郎さんをはじめ、映像がきっかけで可能性が広がったように、映像の魔力はすさまじいものですが、気軽に撮れる写真とは違い、若干ハードルを感じている方も多いです。そこで、どういうふうに撮影して、ビジネスに活かせばいいかということをまとめた本ですので、ぜひご覧いただければと思います。
「先輩からの一言で映像の世界に飛び込む」
松本:現在に至った、千種さんのストーリーを教えてください。
千種:学生時代、就職活動もせずにお酒ばかり飲んでいたとき、先輩から、「このままだと何も決まらないから、バイトに来ないか」と誘われたことがきっかけで、テレビ制作会社でアルバイトをすることになりました。最初は、ADとして、企画出しや、音声を文字に起こす作業をしていました。
当時、パソコンは高価でしたので、腱鞘炎になりながら手書きで文字を書き、事務所に寝泊まりする生活で、ボロ雑巾のように働き、大変でしたが、映像の撮り方を勉強させてもらい、その後、『ニュースステーション』の特集を担当させてもらうことになりました。
「常にプレッシャーにさらされる仕事」
松本:アルバイトから社員になったのですか?
千種:制作会社の社員になり、出向というかたちでテレビ局と契約し、『ニュースステーション』をはじめ、日テレ、TBS、フジテレビの報道番組を渡り歩きました。日々のニュースのほかに、特集枠も担当しており、月に1本ほど自分で企画を出さなければいけないのですが、これがプレッシャーでした。報道番組は常にアドレナリンが出ているくらい刺激的で、知らず知らずのうちに病んでいくディレクターもいるなかで、当時を振り返ると、私もとても病んでいたと思います。
「生放送で大きなミス」
松本:制作会社時代に苦労したことなどありますか?
千種:1997年に、福田和子容疑者が逮捕されたというニュースを担当していました。福田和子容疑者が同僚を殺害して、服などを盗み出し、整形を繰り返しながら15年逃亡し、時効寸前で逮捕されたという事件で、時効寸前にも関わらず捕まらないということで、マスコミでは話題になっていました。
逮捕の決め手は、常連だった居酒屋の店主が、お客さんの声が容疑者に似ているということで通報し、容疑者が触ったマラカスとビール瓶を警察に提供し、指紋が一致したため逮捕に至りました。ニュース番組の生放送中に、逮捕の状況を聞き、急いでVTRを作り、放送したのですが、マラカスと表示されるところをマスカラと誤表記してしまうというミスをしてしまい、その後、やくみつるさんに四コマ漫画のネタにされるなど、恥ずかしい思いをしました。
「中途半端にやらない」
松本:ハッピーロード大山商店街のテレビ番組はどういうきっかけで始めたのですか?
千種:テレビ制作会社で10年勤務し、フリーとなった一方で、映像制作やコンサルティングをしている会社でもお世話になりました。その後、映像配信用の機械を購入して、知人と番組制作をしていましたが、その知人が辞めて、設備だけが残り、もったいないということで、生配信しませんかと、私が商店街に逆提案させてもらったことがきっかけで、ハッピーロード大山TVが始まりました。
地域を盛り上げるというコンセプトで、私だけが作るのではなく、商店街の人が出演し制作に関わり、自分たちが作る番組にしてほしいと提案しました。番組づくりはエネルギーが必要ですので、1、2回だけ試しにやるのではなく、やるからには長く続けることが重要だと高飛車なことを言いましたが、ご理解いただいて、継続していくうちに8年目に突入しました。
「数値目標ではなく、続けることに意味がある」
松本:長く続ける秘訣を教えてください。
千種:YouTubeなどの情報発信に関しては、継続するかしないかによって、価値に雲泥の差が出ます。継続するポイントとしては、ハードルを上げないことです。例えば、YouTubeに動画をアップしても、なかなか再生回数が伸びずに意味がないと思い、やめてしまう方が多いですが、YouTubeの面白いところは、1回動画をアップすると、そこにずっと残っていて、いきなり何千回と再生回数が伸びることがあります。
テレビ番組はオンエアと言い、基本的には振り返って見ることはできないですが、YouTubeなどの場合は、オンデマンドでいつでも見られる構造になっているので、私は蓄積配信と呼んでいます。コンテンツが増えれば増えるほど、時間経過とともに再生回数が増えていく仕組みで、徐々にインパクトが大きくなりますので、再生回数にこだわるのではなく、続けることに意味があると考えています。
「型が決まる前に挫折する人が多い」
松本:他にも続けるポイントはありますか?
千種:続けるためには、楽しく取り組むことがポイントで、企画会議やロケ終了後などには、商店街の方たちと飲み会を開いて、楽しみながら配信しています。また、番組で取り上げる内容も、新店舗やイベント情報など、様々な事柄を必ず取り入れ、自分たちが関わっていることを楽しく面白く使うという感覚を大切にしています。
そして、生放送は大変なことですが、一つ型を決めて、ルーチン化して取り組むことができれば、中身にも余裕が生まれます。何事も取り組んでみると、費用対効果を考えてしまい、型が決まる前に挫折してしまう人が多いですが、始めたばかりのころは費用対効果は発揮しにくいですので、1年後、5年後の費用対効果のイメージを共有して進むことが重要です。
「自分の得意分野を知り、相手のことも知る」
松本:今になって、知っていれば良かったことはありますか?
千種:私は仲間がいるから、みんなでコンテンツを作る楽しさを知りましたので、仲間やパートナーを作ることが大切だと知ってほしいです。パートナーを作るためには、自分の得意分野を知り、そのことを相手に知ってもらうことです。もう一方で、こちらからお仕事の依頼をするときは、相手のことをよく知っておかなければ依頼できませんので、自分自身の得意分野と相手のことを知ったうえで、ビジネス展開すべきだと思います。
「セルフキャスト動画制作塾」
松本:今後の事業展開、仕事上での夢を教えてください。
千種:現在、個人や地域、企業の映像制作を担当させていただいていますが、私も50歳を過ぎ、60歳、70歳になったことを考えると、私が経験してきた映像制作やセルフキャストに関するノウハウを伝えていきたいと思っています。
そのために、企画の立て方や撮影編集、配信方法などを学べる「セルフキャスト動画制作塾」というものを立ち上げました。動画撮影をしてみても、挫折したり、作っていると手が動かなくなってしまうということがありますので、壁を乗り越えられるように、企画段階の型、撮影段階の型など、あらゆる場面に対応した型を講座でお伝えしています。
内容としては、週1回の講座で学んだことを宿題に出しながら、1カ月で動画配信について学べるようになっています。制作会社にCMなどを依頼すると、最低でも30万はかかりますし、せっかくYouTubeなど簡単に映像配信できる環境もあるので、自分たちで作り続けるスキル、ノウハウを学んでほしいと思っています。
「得意分野で掛け算する」
松本:最後に、起業を考えている方へメッセージをお願いします。
千種:ポジティブな理由で起業する人、現状に満足せずにネガティブな理由で起業する人、様々な動機があると思いますが、成功するためには、自分自身が得意なことにフォーカスするべきだと思います。
私は映像が好きで、ご飯が食べられるほどやり続けてノウハウを蓄積し、そこに経営コンサルを掛け合わせることで、映像制作とコンサルティングを続けることができています。まずは、自分が何を得意としているか、そして、ビジネスパートナーを見つけ、そのパートナーと掛け算すると、どういう新しい価値が生まれるかということをイメージすると起業に繋がると思います。
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株式会社プラウドコンサルティング 代表取締役。
代表取締役 千種 伸彰(ちぐさ のぶあき)
1968年生まれ。高知県出身。
早稲田大学・社会科学部卒業後、報道番組ディレクター。テレビ朝日 「ニュースステーション」、TBS「情報スペースJ」、日テレ「報道特捜プロジェクト」、フジテレビ「スーパーニュース」「ニュースJAPAN」等制作。
インターネット国際映画祭「Con-Canムービーフェスティバル」、商店街TVをはじめとする Web・動画・出版等のメディアプロデューサー。一般社団法人 板橋中小企業診断士協会 理事、板橋区出前経営相談員。セルフキャスト動画制作塾 塾長。
主なプロデュース・制作
【企業VP、CM】
J:COM経済番組『おしごと総合研究所』
地域チャンネル『ハッピーロード大山TV』
東京消防庁『地震から命を守る「7つの問いかけ」』
内閣府『地域社会雇用創造事業』
Radixの会「日本生産者・匠シリーズ」
株式会社プラウドコンサルティング
https://www.proud-consulting.co.jp/
セルフキャスト動画制作塾
https://www.selfcast.biz/