第58回:ゴルフとコンパを組み合わせた「ゴルコン」というイベント『ララ♪ゴルフ』
IDEAストーリー
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このサイトでは、これから起業に興味のある方に向けて、成長のサービスを展開されている方、面白いサービス、商品を出されている方、各分野の実績を出されている専門家の方々にインタビューということで、各スペシャリストの方にお話を伺ってしまおうというような内容で、毎週お届けしています。
本日のゲストは、株式会社ジョイントプロデュース、代表取締役、田井真貴子さん。株式会社ジョイントプロデュースでは、ゴルフの楽しさを伝えるために、ゴルフコンペや結婚相談所などの事業を行っています。代表取締役を務める田井さんに、事業内容や起業に至るまでのストーリーを伺いました。
「ゴルファーを増やしたいという思い」
松本:現在どのような事業を行っているのか、自己紹介をお願いします。
田井:メイン事業は「ララ♪ゴルフ」という、ゴルフのコミュニティサイトを運営しており、年間3,500人ほど利用いただいております。「ララ♪ゴルフ」というのは、ゴルファーをターゲットにして、ゴルフとコンパを組み合わせた「ゴルコン」というイベントで、関東や関西、東海、名古屋などで、年に150回以上開催しています。私自身、ゴルフが好きだったので、もっとゴルファーを増やしたいという思いから起業しました。
「ゴルフは婚活に向いているスポーツ」
松本:ゴルコンの魅力はなんですか?
田井:今、スポーツとコンパを組み合わせた、スポーツコンパ「スポコン」が流行していますが、ゴルフはプレイヤーの性格が顕著に表れますので、婚活に適したスポーツだと思っています。私がこれまで見てきた人の特徴として、自分のプレーがうまくいかず、無言になってしまったり、キレてしまうというように、悪い面が見えてしまう男性。逆に、女性をさりげなくフォローできるような良い面が見える男性もいらっしゃいます。女性は、ゴルフを通して、真面目な人、ストイックな人、自分勝手な人というように、男性の性格を垣間見ることができますので、婚活に向いているスポーツだと思います。
「お客様の要望を取り入れ拡大」
松本:ゴルフと婚活をやられている競合会社はありますか?
田井:ゴルコンと検索すると、弊社が上位に表示されますが、同じようにゴルフと婚活を行なっている会社はあります。起業したばかりのころは、競合会社は気になっていたのですが、今では、圧倒的な数でイベントを開催していますので、他社の動きは気にならなくなりました。昔は、イベントの種類は少なかったのですが、今では、ゴルフ場でのイベントから、室内でシミュレーションゴルフをやって交流したり、様々なイベントができるようになりました。これほどまでにイベントの種類が増えた要因としては、お客様からイベント後にアンケートをいただき、今後の要望などを調査し、その要望をイベントに取り入れることができたからだと思います。
「成婚数は35組」
松本:どのくらいの方がイベントを通じて結婚されているのですか?
田井:結婚の報告義務はないのですが、連絡をいただいているだけで、35組の方がイベントを通して、ご結婚されています。先日も、イベントで知り合ったカップルの男性の方から、ゴルフ場でプロポーズをしたいと申し出があり、そのお手伝いをさせていただきました。カートも飾り付けをして、18番ホールのカップに指輪を入れるというサプライズも用意し、無事に女性の方からオッケーをいただき、ご成婚となりました。
「初心者でも楽しめるイベント」
松本:ゴルフ初心者も参加できるのですか?
田井:ゴルフ場でのコンペについては、男性が女性をフォローするために、男性については、平均スコア115以内という参加条件を設けております。しかし、室内でシミュレーションゴルフを楽しむというイベントについては、初心者の男性でも参加できます。こちらは、手ぶらで参加でき、お酒を飲みながら、男女ペアになって、チーム戦をするという流れで、とても人気があります。その他にも、誰でも参加できるものとしては、午前中に男女ペアになって練習し、昼食後、9ホールラウンドするというイベントも鎌倉で行っています。
「参加者の相性を考える」
松本:バスツアーの場合は、バス内で交流が深まるのですか?
田井:東京からゴルフ場までは片道2時間ほどかかりますので、移動中にも交流ができるように考えています。実は、私は個性心理学の認定講師をしており、バスの座席やプレーするメンバー構成については、事前にいただいた生年月日を見て、動物占いによって、相性が良い方同士をグループにするなど、スムーズに会話が生まれるよう配慮させていただいております。バス内では席替えもしますし、ホールを回っているときも、メンバーチェンジがありますので、1日で最大8人の異性と話す機会を持つことができます。
「ゴルフであれば、次に誘いやすい」
松本:モテる男性、モテない男性の特徴はありますか?
田井:モテる男性の特徴としては、イベント終了後にスムーズに次の約束が取れる方です。通常の合コンなどであれば、次に会うきっかけを生み出すことは難しいのですが、ゴルフ好きな女性であれば、ゴルフを練習するという目的で誘いやすいと思います。逆に、モテない男性の特徴は、服装のセンスがない人ですね。女性はゴルフウェアにもこだわりがあるので、男性もぜひウェアにもこだわって、お洒落をしてきてほしいと思います。
「強制的にゴルフを始めた」
松本:これまでに至った、田井さんのストーリーを教えてください。
田井:14歳のころからスノーボードをやっていて、大会に出るほどスノーボードに夢中になっていたのですが、短大生のころ怪我をしてしまい、スノーボード選手としての人生は断念し、ペットフードメーカーの下請け会社に就職しました。総務と経理で入社したのですが、毎日23時まで勤務するということが当たり前の会社でした。社長はじめ、ゴルフ好きな社員が多く、会社の飲み会で「私もゴルフしてみたいです」と、その場のノリで言ったことがきっかけで、社長からキャディバッグが届き、「3ヶ月後にデビューだから」と言われ、嫌々ながらも強制的にゴルフを始めることになりました。
「嫌々だった気持ちが楽しくなった」
松本:その後、ゴルフは上達したのですか?
田井:キャディバッグが届いて、打ちっぱなしなどで練習し、3ヵ月後に、会社のゴルフコンペでデビューしました。しかし、ボールに当たらないし、プレー代は高いし、嫌になりかけたのですが、負けず嫌いという性格から練習はしていました。練習を重ねていくにつれて、ゴルフという競技自体は楽しくなったのですが、会社のコンペに参加すると、ゴルフ代がかさむということで、会社にはゴルフはやめると伝え、こっそり自分で練習は続けることになりました。
「ゴルフ仲間ができて、よりゴルフに打ち込む」
松本:ゴルフが楽しいと感じたきっかけはありますか?
田井:打ちっぱなしでボールに当たるようになってから、楽しさを感じることができました。会社でゴルフをすると、社長からゴルフのマナーやら人生論を聞かされ、嫌になったので、自分でゴルフ仲間を見つけようと思いました。そして、当時、流行していたミクシィというコミィニティサイトで、同じ歳くらいのゴルフ仲間ができ、毎週のように、一緒にゴルフに行き、飲みに行って、ゴルフの話をするというゴルフ漬けの日々を送っていました。
「漠然と独立意欲はあった」
松本:独立というキーワードはいつから思っていましたか?
田井:勤めていた会社が残業は多いし、体育会系の会社で怒鳴られたりすることが当たり前で、ここには長く勤められないと感じ、25歳くらいのころから、いつかは独立したいと思っていました。自分の好きなことで起業したいと思っていたので、当時、自分の肩こりを解消するために、マッサージ師になろうということで、マッサージの学校にOLしながら通っていました。しかし、ゴルフを始めたことにより、マッサージ師は腱鞘炎になる可能性があり、それではゴルフができないと思い、マッサージ師は諦めました。
「ゴルフがしたいがためにゴルフ場運営会社」
松本:その後は、どういう人生ですか?
田井:もっとゴルフに打ち込みたいと思い、ゴルフ場に転職しました。100人応募があり、3人ほどの採用枠だったのですが、面接で、ゴルフ愛を熱く語り、採用していただくことができました。その後、研修で全国のゴルフ場を見学させていただいたのですが、赤字のゴルフ場もあることを知り、行く先が不安になり、独立して安定したほうがいいという思いが強くなりました。
「ゴルフコンパを自ら企画」
松本:自分でイベントを企画するようになったのはいつですか?
田井:ゴルフ場で勤務していたころ、ミクシィなどで集客し、自分でゴルコンイベントを主催していました。イベント会場は勤務先であるゴルフ場で実施していたのですが、会社からはいい顔をされませんでした。なぜかと言うと、10組40人を仮押さえしたとして、実際に、集客できませんでしたとなると、その人数を仮押さえした枠が空いてしまい、もったいないということから、会社側としては受け入れがたかったようです。嫌な顔をされるのでれば、起業して、自分でやったほうがいいということで、2011年3月に退職しました。
「独立前に大震災が起きる」
松本:起業は順調に進んだのですか?
田井: 3月15日付で退職を決めていたのですが、2011年3月11日に震災が起き、経済も不安定になり、これから独立してやっていけるのかと不安になりました。不安はありましたが、幸いにも、すでに、「ゴル友」というゴルファー専門の出会い系サイトの運営を任せていただけるという仕事が決まっていたので、4月から独立することができました。「ゴル友」というサイトは、知り合いの社長さんからの紹介だったのですが、私が企画するイベントの集客をサイトでやっていただいたり、私が集めたお客さんと「ゴル友」がコラボしてイベントをやったりなど、独立前からお付き合いはありました。その後、「ゴル友」を管理している社長さんが、介護事業を始めるということで、「ゴル友」の運営を私に任せてくれたという経緯です。
「課金制サイトには限界がある」
松本:どういうような売上があったのですか?
田井:「ゴル友」は、課金制で、ゴルフ仲間を探したり、サークルに参加するというような、元祖出会い系サイトのようなものです。しかし、震災の影響でゴルフに行っている場合じゃないということもあり、課金による売上も見込めず、さらには、運営を任された委託金も下げられてしまったので、自分で経営し、イベントを企画して稼ぐしかないと思い、「ララ♪ゴルフ」を立ち上げました。「ララ♪ゴルフ」という名前の由来は、ゴルフを楽しんでほしいという思いを込めて、弾む気持ちを表現し、ララ♪と付けています。
「最初は共同で立ち上げた」
松本:一人で起業したのですか?
田井:2012年7月に、システム会社と出資を折半し、起業しました。提携企業には、経理やシステム開発などを行っていただいていて、会議などがあるときは、私もその企業に出社していました。しかし、自分の思うように仕事がしたくて独立したはずなのに、会社勤めと同じような勤務体系が億劫になり、起業して早々に、相手方の株をすべて買い取って、一人で経営することになりました。
「在庫を抱えないことのメリット」
松本:開業のための資金は貯めていたのですか?
田井:資本金100万円でスタートしましたが、勢いで立ち上げたため、起業のための貯金はしていませんでした。ホームページは、起業時に提携していたシステム会社に作っていただきました。資金があまりないなかでのスタートでしたが、イベントというものは在庫を抱えないので、参加者が集まらなかったとしても、売上がマイナスになるということはありません。在庫を抱えず、最初に投資する費用が少なく始められたことは良かったと思います。
「実績を積み重ねて信頼を得る」
松本:集客は順調にいきましたか?
田井:最初のころは、予算もなかったので、フェイスブックやブログなど無料のSNSを活用し、集客していましたが、なかなか集客に繋がりませんでした。集客に繋がらない原因として、コンパというイベントが前金なのですが、お金を払っても、本当に開催されるのか、詐欺ではないかという思いから、参加を躊躇される方も多いという傾向にあります。最初は苦戦した集客でしたが、イベントを数多く開催し、その様子をブログなどで公開することによって、本当に実施されているんだという安心感を持っていただき、徐々に、参加者を増やすことができました。集客するときのコツとしては、ホームページなどに、会社名をしっかり記載し、社長自ら顔出しすることによって、信頼を得ることがポイントだと思います。
「鈍感力も必要」
松本:いつごろから軌道に乗り始めましたか?
田井:スタッフを雇い始めた2年前から軌道に乗ったと感じています。それまでは、一人で経営していたので、自分が怪我をして、イベントが実施できなかったらどうしようという不安や、参加者の方が楽しんでくれているかなど、気がかりなことはありましたが、すべてを細かく気にしていては、ストレスになるので、あまり深く気にしないようにしています。私は、「鈍感力」と呼んでいるのですが、石橋を叩いていたら、なかなか橋は渡れないので、細かく考えずに事業を進めることを大切にしています。
「好きなことを見つける」
松本:起業したいのですが、どの分野に進もうか迷っている方へアドバイスをお願いします。
田井:好きじゃないと続かないので、まずは、好きなことを見つけることから始めたらいいと思います。私もゴルフが好きでゴルフ場に就職し、もっとゴルフに携わりたいという思いから、自分で起業しました。女性であれば、お料理でもヨガでも、何をやったときに自分がワクワクするのかを探してほしいと思います。
「アルバイトと並行することもできる」
松本:最初の資金はどれくらい用意したらいいですか?
田井:私も資金があったわけではないのですが、家賃や生活費のことを考えて、100万円くらいはあったほうがいいと考えます。資金が足りなければ、アルバイトと並行しながらでも、起業することはできると思います。
「ゴルフを通じて出会いを生み出す」
松本:今後の事業展開、仕事上での夢を教えてください。
田井:「ララ♪ゴルフ」以外に、「L-Lounge」という、ゴルファー専門の結婚相談所をやっています。「ララ♪ゴルフ」の参加者で、結婚したいという方がいらっしゃれば、「L-Lounge」を紹介し、結婚相談を行うという流れです。ゴルファー同士が結婚することによって、その子供もゴルフが好きになり、将来的にゴルフ人口が増えてほしいという思いで、事業展開しています。今後は、もっと成婚率を上げるために、セミナーやカウンセリングなども行い、婚活支援の輪を広げていき、ゴルフを通じて、出会いの場を生み出していきたいと思っています。
「考えるだけでは駄目」
松本:最後に、起業を考えている方へメッセージをお願いします。
田井:まずは、自分がやりたいことを見つけて、お金がかからなくてもできることを考えることが大切だと思います。考えているだけでは駄目で、できることから行動に移してみてはいかがでしょうか。
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株式会社ジョイントプロデュース 代表取締役 田井 真貴子
1979年生まれ、新潟県出身。シアトル国際短期大学卒。大手ペットフードメーカー、ゴルフ場運営会社勤務を経て、32歳で独立。2012年株式会社ジョイントプロデュース設立、代表取締役就任。
ゴルフコミュニティーサイト「ララ♪ゴルフ」、ゴルファ ー専門結婚相談室「エルラウンジ」を運営。
ひとりでも多くの人へゴルフの素晴らしさ・楽しさを伝える架け橋となりイキイキとしたゴルファーを増やす活動(イベント)をしていきます。ゴルファーとゴルフ場(スクール)の架け橋となりたい。私たちはイベント開催、市場調査を行いゴルファーの想いをダイレクトに伝えます。
ララ♪ゴルフ(ゴルフとコンパを組み合わせた「ゴルコン」というイベント)
http://www.lala-golf.com/
ゴルファー専門・結婚相談室 『L-Lounge』
http://l-lounge.jp/