第50回:世界一長い会社名!なんと137文字!!株式会社あなたの幸せが私の幸せ

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本日のゲストは、株式会社あなたの幸せが私の幸せ 代表取締役社長 栗原志功さん。携帯電話ショップの運営や介護施設などの運営事業を行っています。代表取締役社長を務める栗原さんに、事業内容や起業に至るまでのストーリーを伺いました。

 

 

「世界一長い会社名」

松本:会社名の由来を教えてください。

栗原:弊社の正式名称は「株式会社あなたの幸せが私の幸せ。世の為人の為人類幸福繋がり創造即ち我らの使命なり今まさに変革の時ここに熱き魂と愛と情鉄の勇気と利他の精神を持つ者が結集せり日々感謝喜び笑顔繋がりを確かな一歩とし地球の永続を約束する公益の志溢れる我らの足跡に歴史の花が咲くいざゆかん浪漫輝く航海へ」です。昔は経営理念などを箇条書きにしてまとめて、それを社員で唱和するということをやっていたのですが、きちんと伝わっているのかなと疑問に思ったことが長い社名となったきっかけです。また、経営理念を社員に伝えるだけではなく、お客様にも知ってほしいと思い、それなら社名に組み込もうと思って、長い社名が誕生しました。

 

「世界がハッピーになってほしいという思い」

松本:長い社名は社員からの反対はなかったのですか?

栗原:契約書などを記入するときに、枠内に社名が入りきれないなど、書類関係での手続きが大変という不満はありました。電子納税なども社名が128文字という制限があるため、わざわざ金融機関に足を運ばなくてはいけないことや、電話に出る際に長くて相手から切られてしまうなど、長い社名によって様々な問題が出たため、今度は1文字の社名にしようと思ったこともあるのですが、社名に「世界がハッピーになってほしい」という思いを込めているため、長い社名を大事にしています。

 

「楽しいが利益になる会社」

松本:現在どういった事業をされているのか、自己紹介をお願いします。

栗原:ドコモ、au、ソフトバンクなどを扱う店舗と「もしもしモンキー」という、格安携帯も扱っている店舗など、携帯電話ショップを40店舗ほど運営しています。その他に、特別養護老人ホームから有料老人ホーム、デイサービスなどの介護事業、障害者の就労支援施設、ビルメンテナンス事業も行っています。また、最近、カンボジアに会社を作りまして、これは「世界の果てまでイッテQ」という番組が面白いという話になり、ある社員に「カンボジア行っちゃう?」という話を持ちかけ、すぐに行くことが決まり、現地で会社を作ることになりました。カンボジアでの具体的な事業は決まっていないのですが、事業を立ち上げるときは儲かるかどうかではなく、面白い、楽しいが利益になることを優先しています。

 

「沈んだ雰囲気の介護施設を変えたい」

松本:介護事業の面白さはなんですか?

栗原:介護事業というのは、昔は補助金が多く出たのですが、今では施設を作ることもほぼ自己資金という時代になりました。そのため、現在では、あまり介護事業に参入する人が少なくなり、あえて、そこに飛び込むことによって、自分なりの事業が展開できると考えました。事業を始める前に、いくつか施設を見学させていただいたのですが、理事長さんの口からは、ベッドの稼働率や満床率などのお金の話しか出ずに、利用者様に対してのサービスについてはあまり考えていない業界だと感じました。また、祖母の介護施設を探しに行った際、施設内がドヨーンとしていて、こんなところに預けたら、余計に気持ちが落ち込んでしまうと感じ、明るい雰囲気の施設を自分で作ってみたいという気持ちは前々から持っていました。そういうこともあり、介護事業はこれから可能性のある業界と感じ、参入することに決めました。

 

「しばらくは実家の喫茶店を手伝っていた」

松本:起業しようと思ったきっかけは何ですか?

栗原:大学受験に失敗して、予備校に通っていたのですが、だんだん行かなくなり、その後は実家の喫茶店を手伝うことになりました。料理を作って、ケーキを作って、コーヒーを淹れて、常連さんと話しているうちに日が暮れていく毎日が楽しかったのですが、他にもやりたいことがあったので、喫茶店の手伝いをやらされている感が強くなり、自分で何かやるしかないと思い、起業への気持ちが高まりました。

 

「路上販売で商売の基礎を身に付けた」

松本:その後はどういうことを行ったのですか?

栗原:21歳くらいのとき、当時、流行していた「たまごっち」を仕入れて、販売するという商売を始めました。100個ほど仕入れて、喫茶店のお客様に販売していたのですが、売れ残ってしまい、どうしようか考え、路上で販売するようになり、多く売ることができたので、次は、「エアマックス」という靴を販売しました。その後、0円携帯を仕入れることができ、安価の携帯電話の販売に繋がりました。

 

「何も考えずに起業し、失敗したことも」

松本:どのように携帯電話事業を広げていったのですか?

栗原:携帯電話の路上販売から通販事業へ展開していきました。地方の新聞広告料金が安かったので、地方紙で宣伝したところ、個人のみでなく、企業からの大型注文も殺到し、一人では処理できず、友人に手伝ってもらうほど忙しかったです。しかし、何も考えずに起業したため、売上金のチェックなどを怠ってしまい、大口注文の売上が振り込まれていないことに気付かず、お客様と連絡が取れなくなってしまうということもありました。お金を振り込んでもらうために裁判することもできたのですが、面倒くさいと思い、忘れることにして、その分、また売上を伸ばせばいいという考えになりました。

 

「お客様の声を直接聞きたい」

松本:店舗運営を始めたきっかけは何ですか?

栗原:通販が忙しくなってきたのですが、だんだん不安になってきて、直接お客様の声を聞くことができれば、買ってもらったという思いとともに安心感も出るんだろうなと思ったことから、店舗運営を始めることになりました。1号店は、知り合いの大家さんの物件を自分たちでリフォームして作り上げました。しかし、物件を選ぶ際に、立地などを考えていなかったため、開店してもお客様が増えず、アルバイトにも給料が払えないと危機感を持ち、折り込みチラシを入れたところ、200人ほどのお客さんが来店し、パニックになりました。当時、「携帯電話は明日のお渡し」と銘打って、販売していたのですが、私とアルバイト一人だけでは何百という契約業務が追い付かなかったため、友人に手伝ってもらい、お客様に謝りに行ってもらうということもありました。そのような失敗をもとに体制を整え、店舗も増やしていくことができました。

 

「提案の仕方を工夫して、時代を先読みした」

松本:携帯電話を多く販売できたコツはありますか?

栗原:当時はまだポケベルの時代で、携帯電話を必要としている人は少なく、販売が伸び悩んでいる時期でした。メールなどの機能も個人が使うことは滅多になく、そんな機能はいらないという人が多いなかで、どうしたら必要だと理解していただき、携帯電話を使って、お客様の行動を広げられるか必死に考えました。売る側の提案次第でお客様の心を動かし、生活に必要なもの、取り入れたいものだと感じでもらえたことで売上に繋がったと思います。あの当時、携帯電話を多く販売できたことで、「時代を先読みしたね」と言われるのですが、極端な話をすると、私が携帯電話を売っていなかったら、ここまで携帯電話が流行っていなかったと思っており、自分が時代を作ったと思っています。

 

「あえて、コンセプトは決めない」

松本:店舗を作る際はコンセプトを決めたりするのですか?

栗原:事業を立ち上げる際はコンセプトが大事とよく言いますが、私はコンセプトは後付けでもいいと思っています。1号店を作るときも、最初は内装業者に依頼したのですが、見積もりが高かったので、自分たちでリフォームすることになりました。その際、壁紙が空模様で、100均でツタを購入し、天井に垂らし、動物のぬいぐるみを飾ると、ジャングルのような雰囲気になったため、ジャングルの中の携帯屋さんという発想になり、「もしもしモンキー」という店舗名になりました。もし、最初からコンセプトをしっかりと決めていたら、こんな自由な発想にならなかったと思うので、コンセプトは決めずに事業を始めるほうがいいと思っています。

 

「インスピレーションと面白さが大切」

松本:その他の店舗はどのようなコンセプトなのですか?

栗原:その他には、武蔵浦和の場合は、「宮本武蔵浦和」にしようということで、和風テイストで刀のマークにしてみたり、「太陽にほえろ」というドラマに出てくる「七曲署」というものをテーマにして、「携帯ポリスへそ曲がり署」という店舗名にしてみたり、あまり深く考えずに、インスピレーションと面白さを大事に、いろいろなコンセプトを決めています。

 

「ギリギリのところを攻める」

松本:運営するうえで他に工夫したことはありますか?

栗原:携帯電話販売というのは、大手企業が価格を統一したがるため、安価な値段で販売することを禁止するなど、縛りが多くあります。そのような縛りがあるなかで、いかに安さをお客様に伝えるかということが課題なのですが、例えば、「0円」という表記がいけないということで、チラシに「0(ゼロ)」ではなく、ドーナツの写真を掲載し、0円とイメージさせる広告や、「もしもしモンキー」は略して「もしモン」、市川猿之助は略して何、正解は「1(いち)円(えん)」というクイズ形式にして、安さを伝えるチラシを作ったりなど工夫しました。

また、回転寿司をイメージして、携帯電話がお皿に乗って、お客さんの前を通るようなディスプレイにする、回転携帯ということもやっていました。中古の回転寿司の機械が売っていたので、それを購入し、携帯ショップでも取り入れたのですが、カーブのところで必ず携帯が落下したり、携帯電話が流れていくため、お客さんがじっくり見ることができないという理由で長くは続きませんでしたが、何事も面白いと思ったことは実践して、いつもギリギリのところを攻めた発想で企画しています。

 

「スモールスタートが大事」

松本:何の分野で起業しようか迷っている方へアドバイスをお願いします。

栗原:儲かるかどうかではなく、面白いかどうか、そして、お客さん含めて、地域の人、日本全体、世界全体がハッピーになる事業ということと、スモールスタートをするということが大事だと思います。起業するとなると、企画書やビジネスモデルをしっかり考え、資金もかかると思います。事業計画を作っていくと、こんなにお金がかかるんだ、労力がかかるんだということが分かり、途中で心が折れてしまうこともあり、そうならないように、今あるもので出来ることを考えることが重要だと考えています。

私も最初の店舗を作る際、今あるもので出来ることを考えることによって、結果的にオリジナリティが出せたと思っています。携帯電話を買う資金もなかったため、空の携帯電話の箱をお店の棚に並べることによって、在庫があるように見せ、実際は、売上が上がってから、在庫を仕入れるという工夫をしていました。そうすることで在庫を抱える資金は必要なく、少ない資金で起業できたので、工夫次第で起業はできると考えています。

 

「トランプ大統領と踊ることが夢」

松本:今後の事業展開、仕事上での夢を教えてください。

栗原:弊社では、社内の目標を達成したからと言って、世の中が変わるわけではないという考えから、売上目標や利益目標はありません。その代わり、介護事業は、トランプ大統領と踊ることを目標としています。介護をしていて、おじいちゃんたちに「リハビリして頑張って歩けるようになろう」と言っても、「どうせ私は死ぬんだから」と、なかなかモチベーションに繋げることができず、介護中の方でも前を向いて希望を持ってもらうことはできないかと考えました。そこで、座りながらでも、車椅子の方でも、日本の昔の曲に合わせて、フラダンスを踊るという「介護フラダンス」というものを思いつきました。施設内での大会、地方大会を企画し、日本全国に広め、いずれは、フラダンスの本場アメリカで大会を開くことが夢です。

そこにトランプ大統領も参加していただき、日本のおじいちゃん、おばあちゃんとともに踊り、「日本のお年寄りはタフだ」と、ニューヨークタイムズに掲載されるという妄想もしています。そのために、いろんな施設にテレアポして、介護フラダンスを取り入れてほしいと依頼しており、昔の青春時代の曲をハワイアン調にアレンジしたCDなども制作中です。

 

「妄想することで毎日がハッピーに」

松本:他にも夢はありますか?

栗原:ジジリンピック、ババリンピックを開催することも夢です。おじいちゃんたちとの会話で「東京オリンピックまでは死ねないね」と言われるのですが、見るだけだと、モチベーションが上がらないので、「見るんじゃなくて、出ましょう」と私はいつも声かけています。出られる方法はないかと、いろいろな機関に問い合わせたのですが、出場できるチャンスは限りなく低いことが分かり、それであったら、自分たちでお年寄りのための大会を作ろうと考えています。

 

例えば、箸を右から左に移す競技であったり、競技自体がリハビリになることによって、様々な施設で取り入れていただき、日本各地で日々、日本記録や世界記録が誕生し、95歳で初めて世界一になったという喜びの声も聞けるかもしれません。また、介護士が同行する介護ツアーというのも考えていて、介護中の方でも家族旅行を楽しめ、家族みんなが笑顔になれると考えただけで、私自身も嬉しくなります。

また、弊社では会議をするときに、ネガティブなことではなく、ポジティブなことを話し合うということを重視しており、「白飯会議」というものを取り入れています。これは各社員の目の前に白飯が置かれており、それぞれが仕事上で起きた良い話をして、その話をおかずにして、いかにご飯が美味しく食べられるかを競うというものです。このように、事業を考える際の妄想や、楽しい話を共有することによって、毎日の業務が楽しくなると考えています。

 

「常にあらゆる状況をシミュレーションする」

松本:妄想力を鍛えるためのコツはありますか?

栗原:妄想力を高めるためのコツの一つは現実逃避です。辛いことがあったとき、全然違うことを考えることで、他のことを考える力、妄想力が鍛えられると思います。また、あらゆる状況をシミュレーションすることもポイントです。例えば、電車内で向かいに座った女性と目が合い、いきなり歩いてきて、告白されたらどうするとシミュレーションします。告白を受けるということも一つの選択肢ですが、断る場合にどのような言い方だと傷つけずに済むか、ベストアンサーを考えるということも妄想力を鍛える方法です。

また、商店街を歩いているときに、通り魔がやってきて、逃げるという選択肢ではなく、いかに立ち向かえるか考えることでも妄想力を鍛えることができます。スマホをいじるより、日常の出来事から非現実的なことを妄想することが大切です。

 

「ハッピーな未来を共有する」

松本:妄想は仕事上でも活きてきますか?

栗原:妄想力は仕事をするうえでも大事で、来店していただいたお客様の未来を思いきり想像することを意識しています。例えば、携帯電話を使って、家族とラインなどでやり取りできるようになり、離れている家族と近くにいるような感覚でテレビ電話ができたり、おばあちゃんに孫の写真を送ったり、お客様の生活を妄想するだけで嬉しくなります。携帯電話を1台売っているという感覚ではなく、この家族の未来を作っているんだという気持ちで向き合うと、仕事が楽しくなります。これだけ売れば昇進するという考えではなく、ワクワクした毎日を送るためには、ハッピーな未来をお客様と共有することがベストだと思います。

 

「考えたらやるしかない」

松本:最後に起業を考えている方へメッセージをお願いします。

栗原:考えているのに実行しないままだと、後を引きずるので、何か思いついたらやることが大事だと思います。一番言ってはいけないセリフが「考えてはいるんだけどね」と言い、何も行動に移していないということです。自分自身が携帯電話事業をやる前に、喫茶店の手伝いをやっていたとき、やりたいことはあったのですが言い訳して、行動しなかった経験があるので、やりたいことがあるならば、行動に移すべきだと思います。大きなスタートではなく、今持っているお金、人脈、情報で出来ることはないか考えれば、小さいことでも出来ることはあるはずです。小さいことからであれば、大きく投資して始めるよりはリスクは低いので、成功確率も高まり、徐々にやりたいことに近づいていくと思います。

 

 

 

おすすめな歌/社長の「一曲」

宙船(そらふね) – TOKIO

自分の船は自分で漕いでいけ。講演で必ず歌う。流されず生きていけ。自分の人生は自分で決めろ。

その船を漕いでゆけ お前の手で漕いでゆけ 
お前が消えて喜ぶ者に お前のオールをまかせるな 

その船は今どこに ふらふらと浮かんでいるのか 
その船は今どこで ボロボロで進んでいるのか 
流されまいと逆らいながら 
船は挑み 船は傷み 
すべての水夫が恐れをなして逃げ去っても 
その船を漕いでゆけ お前の手で漕いでゆけ 
お前が消えて喜ぶ者に お前のオールをまかせるな 

 

 

 

株式会社あなたの幸せが私の幸せ。世の為人の為人類幸福繋がり創造即ち我らの使命なり今まさに変革の時ここに熱き魂と愛と情鉄の勇気と利他の精神を持つ者が結集せり日々感謝喜び笑顔繋がりを確かな一歩とし地球の永続を約束する公益の志溢れる我らの足跡に歴史の花が咲くいざゆかん浪漫輝く航海へ

代表取締役社長 栗原志功

1971年、こんなに楽しい地球に生まれるなんて。22歳のある日、路上で携帯電話を売り始める。家に帰る意味が分からなくなり、健康ランドに7年間寝泊まりし、「恵まれると落ちぶれる」との妄想から電化製品がない暮らしを3年過ごしつつ、「携帯電話販売日本一」を何度も獲得。通信・IT・介護で売上100億円の会社を経営するも、「社名が長すぎて」歌わないと最後まで言えないのがタマニキズ。突然、「日本を幸せしてぇ!」と「幸福学」を研究し、世界の幸せを知ろうと世界4周・70カ国を訪問した経験を持つ。30歳を過ぎ青山学院に、40歳を過ぎてから慶應大学に入学。現在、慶應義塾大学と福岡大学で非常勤講師。ちなみに、ギネス記録3つ持つ。

株式会社あなたの幸せが私の幸せ
http://yourhappiness.co.jp/

栗原 志功
https://www.facebook.com/shiko.kurihara

 

 

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