第62回:大富豪2000人から学んだ成幸者になる秘密とは?
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本日のゲストは、有限会社フェラリスタ 代表取締役 トニー野中さん。トニー野中さんは、作家やセミナー講師の他に、5社の企業経営を行っています。代表取締役を務めるトニー野中さんに、事業内容や起業に至るまでのストーリーを伺いました。
「幸せな成幸者」
松本:現在どのような事業をされているのか自己紹介をお願いします。
トニー野中:私自身のメイン事業は自己啓発に関するセミナーや執筆活動ですが、他にも、動画制作や投資会社などIT関係の5社を経営しています。これまでの著書として、世界の大富豪2,000人に学んだ成功法をまとめた本などを出版しており、累計100万部を突破しています。私が考える成功者の定義として、人生が豊かになり成功するという意味を込めて、「成幸者」と表現しており、幸せになる人が増えてほしいという思いで活動しています。
「本当の成幸者は四つの自由を持っている」
松本:トニーさんが考える成幸者とはどういう人のことですか?
トニー野中:幸せな成幸者というのは四つの自由を持っている人だと考えています。一つ目は「経済の自由」です。好きなものを好きなときに買える自由という意味ですが、必ずしもお金持ちとは限りません。例えば、豪邸に住み、毎日フルコースの料理を食べて、高級車に乗っている人はお金が必要ですが、それとは逆に、田舎の空気の良いところで、朝は鳥のさえずりとともに目が覚めて、朝食は無農薬の野菜や産みたての卵を食べ、天気の良い日には釣りに行き、昼寝をして、夕方になると仲間が楽器片手に集まって、お酒を飲むという生活であれば、お金はあまりかかりません。自分が都会で豪勢に暮らすことに幸せを感じるのか、田舎でのんびり暮らすことに幸せを感じるのかは人それぞれですので、いずれにしても、自分自身がお金に困らない生活ができるということが「経済の自由」です。
二つ目は「時間の自由」です。お金がたくさんあっても、仕事に追われて使う時間がなければ、幸せだとは言えないと思います。
三つ目は「健康の自由」です。お金もあって、時間もあるけど、入院して外に出られない人や、糖尿病などで食べるものにドクターストップがかかっている人は、自由に好きなところへ行けず、食べたいものも食べられず、幸せではないと思います。
四つ目は「人脈の自由」です。お金もあり、時間もあり、健康でピンピンしているけど、友達も家族もおらずに、超高層マンションで貯金残高を見ながら一生を終えるのでは、到底幸せとは言えません。ですので、経済、時間、健康、人脈、この四つの自由を持ってこそ幸せな成幸者だと思います。
「成功者と成幸者の違い」
松本:トニーさんが定義している成幸者は成功者とどう違うのですか?
トニー野中:成功者というのは、自分のやりたいことを成し遂げて、お金持ちになるというイメージですが、私の定義する成幸者は必ずしもお金持ちではありません。私がこれまでに出会った成幸者は、素直で謙虚で明るくて、威張ったりせず、人に感謝する気持ちがある人が多く、四つの自由をすべて持っている人だと思います。
普通の成功者は、お金持ちになり、経済の自由だけ満たされている人が多く、「何百人と名刺交換しているから人脈の自由もある」とおっしゃる方もいるのですが、それはあなたのお金についてきているだけなので、お金に余裕がなくなると、その人脈も消えてしまいます。お金があるから幸せではなく、四つの自由を持っていることが成幸者と考えています。
「思い立ったら即行動するのが成幸者」
松本:仕事が趣味な方も成幸者になれますか?
トニー野中:仕事が趣味で情熱を持って取り組んでいる人は、仕事を面白く感じ、仕事を通して、多くの人が喜んでくれ、自分自身が社会に貢献できていることに満足していますので、成幸者と言えます。また、幸せな成幸者というのは、やりたいと思ったことはすぐ行動する方が多いです。例えば、私の知り合いにも、テレビで上海ガニが特集されていたのを見て、すぐに上海に行ったり、イタリアでベネチアンガラスのセールがあると聞き、すぐにイタリアに飛ぶ人もいます。成幸者は、お金も時間もあり、健康で、仲間もいるからこそ、すぐに行動できるのだと思います。
「成幸者になるためにはギブアンドテイクする」
松本:幸せな成幸者になるために意識することはありますか?
トニー野中:一番大事なのは、ギブアンドテイクする習慣をつけることです。多くの人は、何かを与えてもらったらお返しをするという、テイクアンドギブの習慣がついていますが、成幸者の場合は、見返りを求めずに何かをしてあげる習慣がついています。ギブアンドテイクの習慣は、幸せな大富豪の家庭で育った場合、親からの教育によって習慣づけることもできますし、そうでなければ、ギブアンドテイクの習慣を持っている人に出会うことで意識を変えていくこともできると思います。
「損得勘定は考えないこと」
松本:習慣を変えることで成幸者になれるということですか?
トニー野中:ギブアンドテイクの習慣をつけることで成幸者に近づけると思います。例えば、お坊さんが民家を回り金銭の施しを受ける托鉢(たくはつ)という修行があるのですが、お金持ちの家ではなく、貧乏そうな家の前で修行しなさいと言われているそうです。なぜかと言うと、
そのような状況のなかでも、少しの金銭を差し出すことで、ギブアンドテイクの習慣がつき、気持ちに変化が表れ、人生が良い方向に動き出すことがあります。損得勘定で考えないことで、人生が好転化し、幸せな成幸者になれると思います。
「寄付はエネルギーを溜めるための手段」
松本:ギブアンドテイクの習慣がつく方法はありますか?
トニー野中:寄付する習慣をつけることもギブアンドテイクの習慣をつける方法です。例えば、朝、コンビニに行って、お釣りで出た5円を募金箱に入れると、店員さんが「ありがとうございました」と笑顔で言ってくれます。店員さんに寄付したわけでもないのにニコニコと笑ってくれると、朝からいいエネルギーをチャージできます。社会的には小さな行為ですが、
「心のエネルギーを溜める」
松本:自分自身の充実感を得ることが大事なのですか?
トニー野中:ギブアンドテイクを重ねると、心のエネルギーが溜まってきます。そのエネルギーは自分の夢や願望に対してチャンスが到来したときに、ぱっと一歩踏み出すエネルギーとなりますが、多くの人はそのエネルギーがないので、チャンスが来ても動けずに、できない言い訳をしてしまいます。ソファに寝ていて、いきなり成功する人はいないので、独立に向けて、最初の一歩を踏み出す勇気があれば、成幸者になれますので、踏み出すエネルギーを溜めるためにも、ギブアンドテイクの習慣を身につけてほしいです。
「感謝とありがとうは魔法の言葉」
松本:成功する秘訣は他にもありますか?
トニー野中:感謝の気持ちを持ち、ありがとうと伝えることが成功に繋がると思います。例えば、2012年にジャイアンツが優勝していますが、実は、最初は最下位からのスタートでした。当時の原監督はどう改善していこうか悩み、「感謝とありがとうは魔法の言葉」ということを本で知り、ベンチで実践したそうです。勝たないといけないというプレッシャーのなか、負けたとしても、向こうのピッチャーは喜んでいるだろうなとプラスに捉え、感謝の心を持つことで、ムードが良くなり、結果的に優勝したということが新聞にも取り上げられました。
「どんな状況でもプラス思考」
松本:悪いことが起きても、感謝の心を持つのですか?
トニー野中:もちろんそうです。悪いことが起きても、そのなかで感謝とありがとうという気持ちを持つことが大事です。憎しみや恨みは負のエネルギーですから、成功や夢の実現は遠くなると思います。例えば、時間をかけてプレゼンを用意し、ライバル企業に負けたとしても、いい勉強になったとか、あの会社とは付き合わないほうが良かったんだとプラスに考えることもできます。
また、信号停車中に後ろから車にぶつけられたとしても、なんて日だと嘆くのではなく、追突した車がトラックではなくて良かったとか、バンパーが傷ついてしまったけど、追突した相手の保険で新品にできるとか、いくらでもプラスに変えることはできるはずです。悪い出来事が起きても、最初は腹が立つと思いますが、その気持ちがなくなるように習慣化することで幸せは近づきます。
「寝る前にプラスのことを三つ考える」
松本:プラス思考になるための訓練はありますか?
トニー野中:寝る前に、今日幸せだったこと、楽しかったこと、感謝できることを三つ挙げて寝なさいとアドバイスしています。例えば、初めて利用したランチの店が美味しかったとか、電車に乗ったらタイプの女性がいたとか、なんでもいいので、良かったと思うことを三つ挙げて寝ると、心のなかにプラスのエネルギーが溜まってきます。多くの人は、悪い出来事ばかりを思い出してしまうと思いますが、沈んだ状態から何か新しく成功を掴むことは難しいので、良かったことを思い出す習慣をつけてほしいと思います。
「仕事柄、大富豪と接する機会が多かった」
松本:これまでに至る、トニーさんのストーリーを教えてください。
トニー野中:学校を出て、石川島播磨重工業という会社に就職し、ジェットエンジンの設計をやっていました。五カ国共同でエンジンを開発するプロジェクトが立ち上がったとき、私はイギリスのロールスロイスに駐在することになり、空港での仕事が増えました。空港で仕事をしていると、プライベートジェットを持っている大富豪の方と接することが多くなり、お金持ちになるには何が違うんだろうと興味を持つようになったことが、出版した著書にも繋がっています。
「ゴルフクラブの開発を通じた出会い」
松本:次はどういう仕事をされたのですか?
トニー野中:30歳になったころ、ゴルフクラブ開発の会社へ転職しました。ジェットエンジンからゴルフクラブの開発への転職は、まったく違う分野だと思われますが、それぞれチタン合金という素材でできており、ジェットエンジン開発で得たチタンの知識を持っての転職でしたので、ヘッドハンティングなどもあり、アメリカの有名なゴルフブランドで仕事をすることができました。タイガー・ウッズなど有名選手のゴルフクラブ開発にも携わることになり、名門ゴルフ場で試し打ちを本人としていると、周りのお金持ちのゴルファーたちが「私のゴルフクラブも見てほしい」と声をかけていただくことも多くなり、そこでも大富豪の方と接する機会がありました。
「ITの時代が来ると先読み」
松本:40代はどういう仕事をされたのですか?
トニー野中:40歳になったとき、孫正義さんの著書を見て、これからITの時代が来ると感じ、まったく経験のないIT業界へ転職しました。私の転職ステップは、25歳ごろに読んだ「BIG tomorrow」という若者向けの雑誌に、「あの人の一言が私の人生を変えた」というコーナーがあったのですが、そこに「人間は必ず0のつく年にチャンスが訪れる。
ただし、そのチャンスを活かせる人はほとんどいない」という記述があったことを覚えていて、20代でジェットエンジンの開発、30代でゴルフクラブの開発、40代でIT業界というように節目で仕事を変えてきたという経緯があります。そして、企業のホームページを作るIT企業として独立し、50歳で作家や講師業を始め、ゼロのつく年に新しいことにチャレンジするようにしています。
「無一文になったこともある」
松本:これまで苦労したことはありますか?
トニー野中:イギリスに駐在していたころ、家を購入したのですが、帰国命令があり、家は日本人に貸していました。その後、家の価値が上がってきたので、売却することになったのですが、ジョージ・ソロスという投資家がポンドの空売りをするという事件が起き、2,500万円で売れるはずだった家が1,600万まで値段が暴落しました。私は日本でローンを組んで、イギリスで購入していたので、暴落した瞬間にいきなり多額の負債を抱え、一文無しになってしまったという過去もあります。
「大富豪から学んだことは実践してみる」
松本:大富豪から学んだことは実際にやってみないと分からないものですか?
トニー野中:私の本が数ある成功法則本のなかでも多くの方に読んでもらえる一つの理由として、2,000人の大富豪から学んだことをそのまま本に書いていないことだと思います。多くの成功本は、これまでの成功法則をただ羅列しているだけで、文章に説得力を感じられないものが多いですが、私は、大富豪から学んだことは実践してみて、意味を理解したうえで本に掲載しているので、分かりやすくなっていると思います。
「好きなことを仕事にするべき」
松本:これから起業したいけど、どういう分野に進もうか迷っている方へアドバイスをお願いします。
トニー野中:儲かるとか、市場が伸びる分野ということではなく、好きな仕事で起業することが重要です。一般的には、どういう事業が儲かるか、どういう市場が大きくなるかを考えて独立する人が多いですが、辛いことが起きたとき、嫌々やっている仕事では困難を乗り越えることができず、10年続けていくことは難しいと思います。そうではなくて、自分の好きなことであれば、知恵も出るし、情熱も湧くので、辛いことが起きても立ち向かえるはずです。
「しっかり準備をしてから独立すべき」
松本:独立するタイミングで大切なことはありますか?
トニー野中:サラリーマンの方は収入のあるうちから準備をして独立すべきだと思います。多くの人は、仕事を辞めてから準備を始め、資金が足りずに借金し苦しくなったりしますので、独立後にかかる最低限の固定費をしっかり稼げる見込みが立ってから独立すると、最初にバタバタすることはありません。好きなことでやりたいことにフォーカスして、それに対してしっかり準備して臨むことが大切です。
「好きなことでないと長続きしない」
松本:幸せな成功をしている人は好きなことを仕事にしている人が多いですか?
トニー野中:好きなことで成功している人が圧倒的に多く、嫌なことで成功した人はいないと思います。私がジェットエンジンの会社から転職するとき、上司から「好きなゴルフを仕事にすると楽しみがなくなるよ」と言われましたが、仕事は辛いもの、遊びは楽しいものという住み分け自体がおかしいと感じています。起業して社長になった場合、土日なく働かなければいけない状況は必ず訪れますので、嫌いな仕事ではストレスになるばかりで長続きしませんが好きなことで独立すると、休みを惜しんででもやりたいと、情熱を注ぐことができます。
「断る勇気も必要」
松本:トニーさんが起業するときに気をつけていたことはありますか?
トニー野中:ホームページ制作会社として独立するときに、選ぶ立場ではないのですが、お客様を選ぶことを大切にしました。男性にとって、ゴルフやお酒は楽しいジャンルですので、お酒やゴルフメーカーのホームページ制作のみを受けるようにしました。
金融関係など単価が大きい案件もありましたが、好きなものだけを選んで仕事をすることで、長く続けることができたと思います。採用についても、お客様に合わせて人材を選ぶのではなく、いい人間がいたら、まず採用し、社員の好きなことを聞いて、社員の好きなことに合わせて仕事を取ってくるという考え方を持っています。
例えば、ウェディング関係が好きな社員がいれば、ウェディングのサイトの仕事を取ってくることで、社員自身も楽しく仕事に向き合えますし、お客さんも喜んでくれ、お客さんを介して、消費者であるエンドユーザーも喜んでくれるという好循環を生み出しています。会社を経営していくために必要な最低限の固定費の収入は確保して、上乗せ部分は好きなことを仕事にし、嫌なことは断る勇気を持つことで、長続きする会社になると思います。
「お金がなくてもビジネスは成り立つ時代」
松本:最初のスタート資金はどれくらいあったほうがいいですか?
トニー野中:昔は、資本金1,000万円ないと株式会社は作れないなどの規則がありましたが、今では、インターネットが普及し、店舗がなくてもSNSなどでビジネスできる時代になりました。お金がなくてもビジネスが成り立つ時代になりましたので、資金がいくら必要というアドバイスはできないですね。
「幸せな成幸者を増やしたい」
松本:今後の事業展開、仕事上での夢を教えてください。
トニー野中:今、一番力を入れていることは、本を書いて、多くの人に幸せな成幸者になってもらうためのセミナーを開催していることです。四つの自由を持っていても、仲間がいなければ寂しいので、幸せな成幸者を育て、仲間を増やしてほしいという思いでメンタープログラムを実施しています。
人間の思考はすぐには変えることはできないので、1年かけて六つのステップをレクチャーし、学びが足りないと思ったら、何回でも受講可能というプログラムです。こちらは、私の著書やブログでのみお知らせしていますので、興味のある方は本やブログをチェックしてみてください。
「時間を忘れてでもやりたいことを見つける」
松本:最後に起業を考えている方へメッセージをお願いします。
トニー野中:まず、好きなことをしっかり認識することが大切です。好きなことはビジネスにならないと思ってしまうかもしれませんが、必ずしもそうじゃありません。例えば、ゲームが好きな人でも、Youtubeにゲーム解説動画をアップし、収入を得ている人もいますので、こんなことは仕事にならないのではないかと考えるのではなく、情熱を燃やせることに対して、影響力を与える人間になるために、熱意を持って、努力していくことで独立へ繋がると思います。市場や儲かるかだけを考えるのではなく、時間を忘れてでもやりたいことを見つけることが、幸せな成幸者になる第一歩です。
起業におすすめな本/社長の「1冊」
どうすれば、普通の人が大金持ちになれるのか? ロスチャイルドに代表されるユダヤの大富豪や、華僑、ドバイの大富豪、はたまた日本で自由気ままに暮らす無名の大富豪などと親交のある著者が、成功者たちが日々実践する秘密の習慣を、大公開!
君は今、すごい秘密を手にしたんだ!知っているかい?世の中にはね、素敵な友人や恋人がいて大好きな遊びや仕事をする時間もたっぷりある“本当に幸せな金持ち”と、「お金しかない」不幸な金持ちがいるんだ。君に教えるのは、シンプルだけど、最高に輝いた人生を送る真の大富豪たちが知る秘密だよ。
有限会社フェラリスタ 代表取締役 トニー野中(本名: 野中 正樹)
1962年生まれ。岐阜県出身
企業経営者/成幸者研究家
石川島播磨重工株式会社(現株式会社IHI)にて、ジェットエンジンの設計開発に携わった後、5カ国共同開発エンジンの国家プロジェクト・メンバーとして英国ロールス・ロイス社に駐在。その後、米国のゴルフ用品メーカーにて、タイガーウッズをはじめ、多くの世界トッププロのクラブ開発で実績を上げた後、一転してIT業界へ。
ITバブルに乗り数々の事業を成功させた後、ビジネスに失敗して一文無しに。しかし、さまざま成功の極意を研究、学びながら短期間で復活を果たす。現在は、計5社の企業経営の傍ら、「成幸者研究家」として執筆活動を行ない、セミナーや講演活動ほか、プライベート・コンサルティングを行っている。
トニー野中・オフィシャルサイト
http://www.tonynonaka.com/