第60回:人の成長とともに事業も成長していく理念が浸透したシステム経営。

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このサイトでは、これから起業に興味のある方に向けて、成長のサービスを展開されている方、面白いサービス、商品を出されている方、各分野の実績を出されている専門家の方々にインタビューということで、各スペシャリストの方にお話を伺ってしまおうというような内容で、毎週お届けしています。

本日のゲストは、株式会社サン・プランナー 代表取締役 小松剛之さん。株式会社サン・プランナーでは、人材サービスを中心に、介護サービス、シニア専門人材サービス、飲食サービスなどの事業を行っています。代表取締役を務める小松さんに、事業内容や起業に至るまでのストーリーを伺いました。

 

 

 

「多角化事業で幅広いサービスを」

松本:現在どういった事業をされているのか、自己紹介をお願いします。

小松:主な事業としては、人材派遣サービスを行っております。私の出身である静岡県は、工場が多く、人のニーズも多いため、静岡を中心に派遣事業を展開していますが、銀座などの首都圏でも人材派遣を行っており、土地に合ったサービスを展開しております。その他に、60歳以上のシニア専門人材サービスや、介護施設の運営も行っており、最近では、バーの運営、来年にはラーメン屋をオープンする予定で、人材派遣だけではなく、多角化経営で幅広いサービスを提供させていただいております。

 

「理念が浸透したシステム経営」

松本:御社では経営理念を大切にしているのですか?

小松:弊社では、「人の成長とともに事業も成長していく」ということを大切にしています。社長や専務、社員が全員で同じ目的に向かって成長していくという理念を浸透させた経営を行っており、これをシステム経営と呼んでいます。朝礼で唱和することも大切ですが、それでは言っているレベルに留まってしまうため、知っているレベルから言っているレベル、言っているレベルから、できているレベルまで持っていくことが重要だと考えています。

 

「愛社精神を生み出す工夫」

松本:社員が会社を好きになる工夫はありますか?

小松:社内には、直属の組織以外にも、委員会を設けており、例えば、社員満足を高める委員会や、社員旅行を考える委員会、運動会を企画する委員会など、会社全体で楽しく仕事ができるように工夫しています。社員自らの考えを活かせる雰囲気を作ることによって、自分自身が経営に参画している意識が芽生え、愛社精神に繋がっていると思います。

 

「アルバイトから店長に昇格」

松本:これまでに至った、小松さんのストーリーを教えてください。

小松:出身は静岡県富士宮市で、小学生から中学生までサッカー少年でした。高校のときに、サッカーは辞めてしまい、卒業後は、早く働きたいと思っていたのですが、親への体裁も考え、機械コンピューター系の専門学校に入学しました。専門学校時代に、ホストではなかったのですが、男性従業員がお客様を迎えるという店でアルバイトをすることになり、そこで学生ながらにして良い成績を出すことができました。お客様との会話など、コミュニケーションを取ることが向いていたということもありました。更にある事件をきっかに、当時の社長から、「小松君、明日から店長をしなさい」と任命され、学生業と並行して、店長という立場も任されるようになりました。

 

「接客業が天職だと感じる」

松本:専門学校卒業後は就職されたのですか?

小松:先生から、鉄道会社を紹介され、すぐに内定をいただくことができましたが、接客業の面白さを手放すことができず、入社式当日まで悩み、結果、入社式を辞退という決断に至りました。当然、親からも学校からも怒られましたが、接客業が天職だと思い、続けることにしました。

 

「体調を崩し、静岡へ帰る」

松本:その後は、店長を続けたのですか?

小松:店長をしていたところ、新宿でナンバーワンホストの方から、「君、ホストに向いているよ」と言われ、23歳くらいのときにホストとして勤めることになりました。しかし、ホストは連日お酒をたくさん飲むのが当然という職業から、見事に体調を崩したことで地元静岡が恋しくなり、帰省することを決心をしました。

 

「土方業へ転職するも怪我で退職」

松本:静岡ではどういう仕事をしたのですか?

小松:静岡に帰ってからなんとなく建設業に就きました。そしてあるとき、水道管の工事をするために、地面に入って、穴を掘っていたところ、崖が崩れてきて、体が埋まってしまい、身動きが取れなくなりました。土圧で息もできず、岩も落ちてきて、骨が折れていくのが分かるくらい大変な事故でしたが、なんとか仲間に助けてもらいました。若い自分にとって体力仕事に不安を抱き、その会社は退職しました。

 

「父親の会社を手伝う」

松本:次の仕事はすぐに見つかりましたか?

小松:父が通信系の会社を経営しており、ITバブルの時代で、光通信と代理店契約の末、事業拡大ということだったので、営業として入れてもらうことになりました。しかし、2年ほどすると、ITバブルが崩壊して、光通信事業が事業撤退することになりました。それに伴い父の経営する会社は多くの負債を抱えることになり倒産という最悪の事態に追い込まれました。その時、独立を決意しました。

 

「時代を先読みする」

松本:起業当初はどういう事業内容だったのですか?

小松:資金がゼロだったので、仮の事業計画を持参し国民生活金融公庫から300万円を借りて、父の会社から引き継いだ顧客リストをもとに、他社の通信サーバーを勧めて、手数料で稼ぐという事業から起業しました。しかし、顧客リストも有限で、レンタルサーバー事業は長く続かないだろうという不安もあり、これからは人材派遣事業の波が来ると予想していたので、人材派遣の許可は取得していました。すると、レンタルサーバーの営業先で、「レンタルサーバーは必要ないけど、ホームページやプログラムができる人が欲しい」という声を多くいただくようになり、そこから、人材派遣事業を展開することになりました。事業を切り替えるということは大きな決断ですが、これからは人材派遣の時代だと先読みし、一気に舵を切ることが結果として良かったと思います。

 

「理念経営に変えたことで苦難を乗り切った」

松本:そこからは順調に経営していますか?

小松:起業当初は、経営理念やビジョンもなく、とにかく売上主義でした。その結果、離職率も高いという悪循環に陥っていましたが、ビジョンをしっかり持った経営家との出会いをきっかけに、私自身も理念を持ち、社員さんが自分の勤めている会社を自慢できるような会社にしたいと思い、そこから理念経営に変更しました。変更した直後、リーマンショックが起き、業績は落ちたものの、経営理念を掲げていたおかげで、首の皮1枚繋がり、そこから一気にV字回復することができました。

 

「新卒を採用するようになり社風が変わった」

松本:採用はどういう基準でされていますか?

小松:社会経験のある中途の方に、新たに理念を浸透させることは難しいですが、新卒は何も知らない状態で入社するため、理念を早く感じ取ってくれると思っています。面接も理念に共感してくれた仲間を採用すると決めています。また、新卒を採用するようになってから、先輩が後輩に、名刺の渡し方から丁寧に指導するという習慣が生まれ、自分さえよければという考えから、チーム意識が芽生える企業文化へと社風も変わってきました。

 

「一本足打法より十本足打法」

松本:新規事業を始めるときのポイントはありますか?

小松:周りは、多角化事業に反対で、1個の事業をしっかり行うべきだという人が多いですが、私の考えは、もしも、一つの事業が崩れたとしても、他の事業でカバーできるので、強い会社経営のためには、一本足打法より十本足打法が良いと思っています。そして、何より、人への投資が最も重要で、次の事業を担う若手の育成に力を入れており、新規事業を立ち上げるときも、良い人材がいるからこそ事業が成り立つと考えています。

 

「人材を育てるために学校を作る」

松本:良い人材を育てるために工夫していることはありますか?

小松:介護のニーズはこれから出てくると思い、志高い人材を育てるために、ヘルパー2級が取得できる学校を作りました。介護施設などへの人材派遣は、弊社の学校の卒業生を派遣することで、人材派遣の良い循環ができたと思います。その後、せっかく良い人材を育てる学校があるので、弊社でも介護施設を作り、そのまま就職できる流れを作ったことで、介護事業もスタートしました。

 

「戦略よりも理念が大事」

松本:起業を考えているけど、どの分野に進もうか迷っている方へアドバイスをお願いします。

小松:マーケットはこれからどんどん変化していくと思いますので、経営の戦術を練ることも大切ですが、理念をしっかり浸透させることが大事だと思います。理念をしっかり持ち、一人で行動するのではなく、組織一体となって経営していきたいという志高い方がいれば、私も協力できることがあれば、一緒に何かやりたいですね。

 

「資金よりも採用を考える」

松本:最初の資金はどのくらいあったほうがいいですか?

小松:極端に言えばですが、資金はないほうがいいと思います。私の周りには、資金があったから成功した人は少なく、逆に、何千万も貯めて起業し、短期間で廃業したという人はいます。資金はなければ、どうすればよいかとにかく考えることができますし、これからの起業で大切になってくることは、いかに良い採用ができるかどうかだと思います。

 

「次のニーズを見据えた経営」

松本:今後の事業展開、仕事上での夢を教えてください。

小松:一人で100億の企業を作るよりは、10人がそれぞれ10億の会社を作ったほうが強い経営ができると思いますので、優秀な経営者を10人育てることが、まず一つの夢です。そして、今までは人材派遣を中心に事業展開してきましたが、今後は、お客様のニーズも人材不足ということから、業務の自動化や業務委託というニーズに変化してくると思います。人材不足は、そもそも人口が減ってきているので解決は難しいとなると、業務を自動化するなどして、人がいなくても仕事が回るようにしてほしいというニーズが生まれると考えていますので、今後は、その要望に応えられるようなソリューション事業を展開していきます。

 

「理念はすべての人に夢を与えるものに」

松本:理念を作るのにどれくらいかかりましたか?

小松:経営理念を作るのに半年かかりましたが、実は、今、ブラッシュアップをしています。経営理念というものは、何をやっている会社か、どんな事業なのか、さらには、応援したくなるようなもの、そして、疲れているときでも頑張ろうと活力が湧くものでなければならないと思います。お客様、社員、株主、銀行、取引先のすべての方に、夢がある会社だなと感じてもらえるように、ブラッシュアップしていきたいと思います。

 

「夢にも見なかった人生に出会える」

松本:最後に、これから起業を考えている方へメッセージをお願いします。

小松:私は社長になりたくてなったわけではないのですが、今ではトップで経営者をやるというのは、1度の人生で経験してほしいことだと思います。本当の失敗は挑戦しないことなので、失敗しても一つのステップだと思って、まず苦労してみてください。すべて自己責任で経営し、一生懸命目の前のことをやっていくと、夢にも見なかった人生に出会えるはずですので、若い方には新しいことに挑戦してほしいと思います。

 

 

 

起業におすすめな本/社長の「1冊」

One World 

短編小説のような9つのストーリーが人の「縁」によってつながっていく不思議な長編小説です。僕たちの世界は、ひとつにつながっている。少年野球、サービスマン、卒業式、バレンタイン、超能力、就活、日本、出稼ぎ、恋愛…。異色の小説家が描く、「縁」をつなげる長編小説。

 

 

株式会社サン・プランナー 代表取締役  小松 剛之

時代は変わる。変化をしながら、挑戦は続く。SUNPLA Groupは2001年9月に“太陽のように輝く会社”という想いを込めてスタートをしました。人材総合サービスを中心に、介護サービス、シニア専門人材サービス、飲食サービスと多角化経営を進めています。

時代は変わります。私たちはその変化に耐えながらも、歴史を刻み、数々の苦難を乗り越えてきました。そしてこれからもきっと―SUNPLA Groupは変化に対応できる組織であり続け、常に新たな市場に挑戦し成長を目指していきます。


仕事は何をするかではなく、誰とするか
スイッチオン! SUNPLA Groupはこの言葉を合言葉に今まで歩んできました。私の経営人生は失敗の連続でした。売り上げは上がらない、人が辞めていく…数えだしたらきりがありません。

創業当初こそ業績は良かったものの、売上主義のやり方がずっと上手く続くとは思えませんでした。そこで半年かけて経営理念を掲げ、新卒採用に踏み切りました。結果、多くのベテラン社員が去っていきました。しかし、唯一の希望は理念を一緒に考え、共感してくれた社員たちでした。人の成長と共に事業も成長していきます。人の成長が無ければ事業の成長もありません。競い合って、支えあって、そして成長していく、そんな会社でありたいと思っています。


■総合人材サービス
株式会社サン・プランナー 代表取締役

■介護・福祉・医療の専門講座
Fujiアカデミー 理事長

■訪問介護事業所
株式会社ソレイユ 代表取締役

■シニア活用型人材コンサルティング
株式会社高年社60 代表取締役

https://www.sunpla.info/

 

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