第36回:データベース販売・医療情報から特売情報収集まで生活者の視点で幅広くお客様をサポート

IDEAストーリー

起業家のストーリーを追体験してもらおうという無料のインタビューサイトです。

このサイトでは、これから起業に興味のある方に向けて、成長のサービスを展開されている方、面白いサービス、商品を出されている方、各分野の実績を出されている専門家の方々にインタビューということで、各スペシャリストの方にお話を伺ってしまおうというような内容で、毎週お届けしています。

本日のゲストは、株式会社ナビット 代表取締役 福井泰代さん。

株式会社ナビットでは、データベースなどの情報収集による商材開発を事業内容としています。代表取締役の福井さんに、事業内容や起業に至るまでのストーリーをお伺いしました。

 

本サイトでは、対談冒頭の一部のみダイジェストとしてお聴きいただけます。
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音声で聴くと、よりリアルに感じて頂けます。

 

 

「全国の主婦特派員による独自のデータベースを構築」

松本:現在、どういった事業をされているのか自己紹介をお願いします。

福井:弊社は、全国に5万8,100人の主婦の地域特派員を抱えています。全国に地域特派員を抱えることで地域密着型の情報収集をすることが可能になり、その情報をデータベース化して販売するというのが事業内容になっております。

 

「誰もが目にしたことのある、のりかえ便利マップ」

松本:御社が作成されている、のりかえ便利マップについて紹介をお願いします。

福井:首都圏で地下鉄に乗ると、青く細長いポスターがあると思うのですが、それが「のりかえ便利マップ」です。何両目に乗れば、階段やエスカレーターなどが近いか一目で分かるポスターになっております。また、駅などの構内図も作成しておりまして、全国76%の鉄道会社さんの構内図を私どもが提供させていただいております。

 

「独自の子育てアイテムの作成から発明が始まる」

松本:起業する前に発明をしていた時期があったと聞いたのですが、詳しく教えてください。

福井:子供が二人いるのですが、あるとき、お姉ちゃんの保育園のPTAに参加する機会があり、下の子供も一緒に連れていったんです。まだ赤ちゃんなので泣いてしまって、他のお母さんの迷惑になると思い、おしゃぶりをしていきました。

しかし、赤ちゃんはどうしてもおしゃぶりを加え続けられずに、すぐ落としてしまうので、おしゃぶりの空気穴に紐を通して、耳にかけられるように、自分でアレンジしました。すると、それを見た、他のお母さんから、「そのおしゃぶり面白いから特許取ってみたら」と言われたことがきっかけで、発明について、いろいろ調べていくうちに、発明学会という発明家を応援する団体のことを知り、そこの通信教育を受けることになりました。

 

「特許を取り、ロイヤリティを貰うことを目標にした」

松本:普通の人は特許を取ろうと思わないと思うのですが、もともと起業したいなど理由があったんですか?

福井:発明には2種類ありまして、一つは自分の商品を作って売るというパターンと、もう一つは特許を取って、ロイヤリティを企業から貰うというパターンです。発明は趣味程度だったので、一から商品を作るということはせず、思いついたアイデアを企業に売り、ロイヤリティを貰うということを目標にしました。

通信教育を受けていた発明学会には、月30万ほどのロイヤリティを貰っている人もいたため、私もまずそのくらいの金額が貰えるようになれればなという思いで発明を始めました。

 

「のりかえ便利マップは自分自身の辛い経験から生まれた」

松本:のりかえ便利マップのアイデアが思い浮かんだ背景を教えてください。

福井:夏の暑い時期に自分の子供をベビーカーに乗せて、西日暮里の駅に買い物に行ったら、電車を降りたあと、エスカレーターやエレベーターが見当たらず、ベビーカーを押して、ホームの端から端まで歩いて探しました。

 

結局見当たらず、赤ちゃんがぐったりしてしまったという辛い経験があります。そのとき感じた辛い経験から生まれた商品が「のりかえ便利マップ」です。発明学会に入会して、一番初めに習うことは、「嫌だなと思ったら、そこにビジネスチャンスがあると思え」ということです。

嫌だなと思ったら、自分だったらどうしようと考え、考えついたアイデアを形にしてみて、使ってみて良かったら、それを世の中に出すということが発明家の考え方なので、日常で感じる辛い気持ちをしっかり受け止めるということがアイデアに繋がります。

 

「のりかえ便利マップの作成は長い時間と労力を費やした」

松本:「のりかえ便利マップ」の作成あたりから起業されたのですか?

福井:そうですね。「のりかえ便利マップ」が採用されて、それがきっかけで起業しました。「のりかえ便利マップ」の売り込み方としては、企画書とファックスの返信用紙を同封し、そこに「1番 採用したい」「2番 採用したくない」「3番 その他」と書いて、一斉に売り込み先となる企業の社長宛てに郵送するという手法を取りました。

 

74社に郵送し、ようやく1件採用に結び付いたという苦労があります。その後、アイデアが採用され、実際に、「のりかえ便利マップ」を作成するために、当時256駅あったのですが、その駅一つ一つのエスカレーターの位置など、マップに掲載する情報収集に5ヶ月もの時間を要しました。

想像以上に時間と労力がかかり、大変なこともあったのですが、途中でやめてしまってはこれまでの苦労が水の泡だと思い、最後までやり通すことができ、「のりかえ便利マップ」は半年間の利用で20万円という契約に結び付きました。

 

「のりかえ便利マップのノウハウを様々なアイデアに展開」

松本:その後、「のりかえ便利マップ」で得たノウハウを他のアイデアに展開していったのですか?

福井:最初は調べたことを本にして出版しようと思っていたのですが、知り合いに「福井さんのやっていることは発明ではなくて情報だから、その情報をもっと切り口を変えて展開していったほうがいい」というアドバイスをいただき、それからは企画書を膨大な企業へ郵送するのではなく、企業へ直接提案に行くというかたちに変えました。

 

その後、提案を重ね、雑誌に掲載する「お花見マップ」や、手帳に掲載する「路線図」、カーナビのソフトなど、様々な商品に私たちのデータベースを採用していただくことができました。

その後、地下鉄への採用に至るわけですが、鉄道会社への採用が最も苦労して、最初は、車両別に特定のものがある箇所を分からせてしまうと、ある車両だけが混雑する可能性があるので作れないということで断られ、営団地下鉄で採用されるまでに2年、JRで採用されるまでに3年という長い月日がかかってしまいました。

 

「一年やって駄目ならやめるという気持ちで起業した」

松本:起業したきっかけはなんですか?

福井:アイデアを企業に提案する際に、「いいアイデアだけど、個人的には取り引きできないから、会社にしてくれ」と言われて、それがきっかけで会社を設立しました。

 

まだ子供も小さく厳しい状況だったのですが、自分の貯金300万と母から300万を借りて、600万で起業し、一年間やって駄目だったらやめるという覚悟でスタートしました。事業を展開するうえで、多くの人が毎日見る掲示物を作成したいという思いが強く、鉄道会社への採用というところにこだわりを持ち、企画を売りに行きました。

しかし、なかなか採用されず、いろんな部署をたらい回しにされたりとうまくいかないことばかりでしたが、「のりかえ便利マップ」作成時に費やした5ヶ月間の時間と労力を活かさないともったいないという気持ちで、採用までねばり続けることができました。

 

「人を雇うことでやめられない状況が生まれた」

松本:企画の不採用が続いても諦めなかった理由はなんですか?

福井:早い時期から人をたくさん雇っていたため、頑張ってくれている社員やアルバイトのために途中でやめることはできないという思いで動いていました。また、自宅の2階で始めたため、部屋も狭く、最初はコピー機もない状態でしたが、徐々に仕事が増え、コピー機を買ったり、パソコンを増やしたり、オフィスを借りたりしていくうちにやめられなくなったというのも理由の一つです。

 

「一つのアイデアをさらに膨らませることが起業家」

松本:地下鉄への採用後はどのような事業を展開していったのですか?

福井:地下鉄への採用後、社員も増えてきて、事務所も借りて、これからどうしようというときに、たまたまテレビに芳香剤の社長さんが出ていたんです。その社長さんが、「起業家は1本の木を林にして、森にして、森林にしていける人だ」という話をされていました。

 

また、私が入会していた発明学会のOBにカップヌードルを考えた、日清食品の元会長さんがいらっしゃるのですが、日清食品もカップヌードルだけじゃなくて、スパゲティや焼きそばなど、複数の商品を展開しており、一つの考えついたアイデアを軸にして、他の商品にも展開できることが起業家なんだと感じました。私もそんな起業家を目指したいと考えていたときに、知り合いから、「これからマンナビゲーションの時代がくるよ」というお話を聞いたのです。

マンナビゲーションとは、カーナビのように、人を目的地まで案内するサービスのことですが、そういう情報を提供できたらかっこいいなと思い、マンナビゲーションの時代がくることに備えて、情報収集を開始しました。そして、携帯電話の時代になったときに、先駆けて集めていた情報を元に、モバイルでマンナビゲーションをやるということを告知したら、すごく反響があり、出資も集まり、会社も大きくすることができました。

 

「好きなことを極める」

松本:起業に興味はあるが、どういった分野に進もうか迷っている方に向けてアドバイスをお願いします。

福井:私は好きなことをやればいいと思います。例えば、野球のイチロー選手でも、フィギュアスケートの真央ちゃんでも、卓球の愛ちゃんでも、みんな本当にそのスポーツを寝食を忘れるほど好きで極めているので、好きなことを突き詰めれば、一流になれると思っています。

私は発明することが好きだったので、それがベースとなり、いろんな商品を開発することができました。ここまで続けることができたのは、徹夜しても辛いことがあっても、好きなことをやっているからだと思います。起業が目的とするなら、休眠会社を買ってきて起業もできるので、そうではなくて、ぜひ自分がやりたいことで起業してほしいと思います。

 

「開業資金は工夫次第でなんとかなる」

松本:何をやるかによると思うんですけど、開業資金はどのくらいあったほうがいいですか。

福井:私は600万円で自宅の2階で始めました。お金はたくさんあったほうがいいと思いますが、今は有限会社なども1万円あれば起業できるので、工夫次第でなんとかなると思います。

 

「AIなどの人工知能にも活かしたい」

松本:今後の事業展開、仕事上での夢について教えてください。

福井:当社はデータベースを扱っている会社なので、それをいろんなことに繋げていきたいと思っています。例えば、グーグルさんやヤフーさんで会社名を検索すると、その会社の郵便番号や住所、電話番号が表示されると思うのですが、そのような情報を提供するというサービスも行っています。

今後は、そのような弊社で集めたデータベースをAIなどの人工知能やロボットなどにも弊社のコンテンツを取り入れていきたいということを目標にして、一生懸命やっています。

 

「共に目標に向かって進むのが起業の醍醐味」

松本:最後に起業を考えている方へメッセージをお願いします。

福井:起業することは誰でもできると思うので、起業したからには長く続けてほしいなと思っています。維持していくことは大変ですが、時代の変化に合わせて、集中力を切らさず、続けていく力を持ってほしいなと思います。

 

また、私がいつも社員に言っているのは、「仕事に楽しさや面白さを求めることは甘い」ということです。お給料を貰う以上、楽しさや面白さを求めるのは甘えだと思うんですね。仕事は起きている時間の7割ほどの時間を費やしていますので、その時間を一生懸命取り組むことで人生の価値も変わると思います。一生懸命やったうえで仕事が面白いと思える人は、それは本当に幸せなことだと常に実感しています。なので、いつも入社式で言うのは、「幸せな人生を送ってください」と申し上げています。

 

仕事は一生やっていかなければならないものなので、それを面白いと思える人生を送ってくださいと言っています。一生続ける仕事ですから、悪いときも良いときもありますが、長距離ランナーのように、最後まで長い道のりを走り抜けた方が勝つと思っているので、体に気をつけて、長く続けられるような起業家になってください。

そして、会社は一人ではできないので、組織全体で目標をクリアしていくことが重要になります。自分の価値観だけでは解決できないこともあるので、仲間の考えを受け入れて、視野を広げて、共に目標に向かって進んでいくということも起業し組織を作る醍醐味だと思います。

 

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株式会社ナビット 代表取締役 福井 泰代

88年成城大学経済学部を卒業後、キヤノン販売入社。91年、結婚・出産を機に退社。97 年、有限会社アイデアママ設立。98 年、「のりかえ便利マップ」が営団地下鉄、都営地下鉄、 ぴあなどに採用される。

01年、株式会社ナビット設立。全国の鉄道研究会とSOHOスタッフ58100 人体制で、交通と地域に関わる定期的なデータ収集、調査、コンテンツ制作、企画、システム開発 を行う。

13 年日本経済新聞ライフ・ウーマン欄「新たな価値生み出す 女性が開発ヒット商品 10 選」に「のりかえ便利マップ」が選出。14 年国土交通省の交通政策審議会専門委員に任 命。チラシ特定情報検索「毎日特売」サービス提供、在宅ワーカー支援サイト「Sohos-Style」提供、入札情報の収集をしっかりサポート「入札なう」、助成金・補助金の検索サービス「助成金なう」を提供中。

著書に「夢を叶える仕事術」(ビジネス社)。社会人、大学生の 2 児の母。2017 年 6 月現在 

 

株式会社ナビット

https://www.navit-j.com/

 

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