第35回:役員運転手・役員秘書の派遣ならトランスアクト

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本日のゲストは、株式会社トランスアクト 代表取締役社長 橘秀樹さん。

株式会社トランスアクトでは、役員運転手、役員秘書の派遣業務を事業内容としています。代表取締役社長を務める橘さんに、事業内容や起業に至るまでのストーリーをお伺いしました。

 

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会社の特徴は、役員運転手と役員秘書を両方とも派遣できること

松本:会社の事業内容を教えてください。

橘:弊社では、会社の役員様、社長様向けに特化して、役員運転手、役員秘書の派遣業務を行っております。本来、役員運転手と役員秘書を雇う場合、それぞれ別の派遣業者に依頼することが多いのですが、弊社では両方とも人材を揃えておりますので、両方のニーズを一度に満たすことができます。

それぞれの会社に依頼するとなると、派遣されるスタッフのスキルなどもバラバラで統一感を出すことが難しいですが、弊社に依頼いただくと、高い質を持ったスタッフを同時に派遣することができるという特徴があります。

 

様々な契約形態でニーズを満たす

松本:運転手や秘書の契約形態はどういうものでしょうか?

橘:運転手も秘書も人材派遣のように思えますが、実は、運転手は業務請負、秘書は労働派遣契約ということになっていて、似て非なるものです。運転手の契約については、一定期間契約をする定期契約と呼ばれるものや、1日限定で契約を結ぶスポットと呼ばれる契約もあります。

現在、多くご利用いただく契約は長期契約が多いのですが、例えば、ゴルフのときだけ運転手を依頼するなど、お客様のニーズに合わせて、運転手を依頼できることも特徴の一つです。

 

運転手を派遣サービスにすることで労働基準法を守ることができる

松本:運転手を派遣業者に依頼するメリットを教えてください。

橘:運転手のお仕事は長時間に渡ります。例えば、社長様の専属運転手の場合、朝のお迎えから、夜の会食後の送迎までを想定すると、24時に仕事が終わることも少なくありません。

そうすると、労働基準法では労働時間は8時間と定められていますので、これをオーバーしてしまうため、運転手が二人必要ということになります。そこで、私たちのような外部業者に運転手を依頼することで、労働基準法からは外れ、経営がスムーズになるというメリットがあります。

 

お客様に合わせて、最適な運転手を派遣する

松本:運転手に求めているスキルはありますか?

橘:弊社に登録する運転手に関しては、採用時に慎重に選んでいます。採用時に見極める要素は三つあって、一つ目は運転スキル。二つ目は地理。三つ目は接遇応対です。この三つの要素は必ずしも全てが完璧にできなければいけないということではありません。

お客様によっては、コミュニケーション力などの接遇応対は二の次で、とにかく早く目的地に到着できればそれでいいという方もいらっしゃいますので、そういったお客様には土地勘が優れている運転手を派遣します。このように、お客様に合わせて、最適な運転手を派遣するということを大事にしています。

 

運転手を信頼することが重要

松本:どういったお客様が多いですか?

橘:個人の経営者様からの依頼が多いです。というのも、私たちは大手の派遣会社さんが「この要望にはお答えできません」とお断りするようなことも、ある程度は引き受けるよう、フレキシブルな対応を心掛けているからだと思います。

 

例えば、「クリーニングを取ってきて」、「自分の妻を送迎して」、「子供を送ってほしい」など、個人経営者の方ならではの細かな要望についても、できる限りの対応はするよう運転手には伝えています。運転手には、お客様と丁寧にコミュニケーションを取り、最高のサービスを提供できるよう指導していますが、仲良くなったからといって、出過ぎてはいけないと思っています。

どこまでサービスを踏み込むかの線引きは非常に難しいですが、私自身が運転手を信頼し、「お客様はあなたに任せた」という気持ちを持って、常に送りだしています。

 

登録運転手は100名超え

松本:運転手さんとお客様はどのくらいいらっしゃいますか?

橘:お客様は約30社様とお付き合いさせていただいております。現在稼働している運転手もお客様と同じ数くらいです。しかし、依頼があったら、いつでも派遣できるように登録している運転手は100名を超えています。

 

祖父の会社を継ぐために大学入学を決意

松本:橘さんが起業までに至ったストーリーを大学時代からお伺いしてもよろしいですか?

橘:まず、なぜ大学進学を決めたかは、祖父が「東邦レオ株式会社」という会社を経営していまして、そこを継いで会社を盛り上げたいと思ったのがきっかけです。大学ではヨット部に所属していました。

 

ヨット部というと、船の上でワイングラス片手に漂うという優雅なイメージもあるかと思いますが、まったく逆で、上下関係も厳しく、夏休みと春休みには合宿もあり、ひたすら体を鍛えるような部活でした。

私はそれまで運動部経験もなかったので、すべてが初めての経験でついていくのに必死でした。海に出た以上、自分の責任で陸に戻ってこられなかったら生死に関わりますから、ヨットを乗りこなすことに必死でしたね。

 

ゼミの恩師との出会い

松本:ゼミには入っていたんですか?

橘:3年生からマーケティングを学ぶゼミに入りました。なぜ、マーケティングかというと、将来、祖父の会社を継ぐときに役に立つと思ったからです。ゼミ担当の大久保先生は政治家とネットワークがあり、自分の講義のゲストに大物議員を呼ぶような先生だったんです。

当時の安倍官房長官もゲストで授業に参加されていたこともあり、非常に驚いた記憶があります。私たちゼミ生は、大物議員が来られる際に聴講者の人員整理として活動していました。そのときに、「なぜ、こんなに警備がつくんだろう、どんな仕事をしているんだろう」と、ふと疑問に思ったことが、今の役員運転手派遣事業に結びついた、最初のきっかけだったかもしれません。

 

最初の就職先は代議士秘書

松本:最初の就職先はどこですか?

橘:実は、お恥ずかしながら、私は大学入学までに2年浪人、卒業までに1年留年しているんです。就職活動を考え始めたとき、同世代から3年も遅れていて、普通に面接に行っても、採用は難しいだろうと考えました。

どうせ遅れているんだから、人と違う道を歩もうと思い、政治家と繋がりのあるゼミの先生に、「私は普通に就職するのは諦めました。先生のお知り合いの国会議員の秘書として、私を紹介してください」と頼み込んだのです。今思えば、無謀なことだったかもしれませんが、自民党の衆議院議員の秘書として紹介いただき、それが最初の就職先となりました。

 

秘書業務で学んだことは相手の求めることを察すること

松本:秘書の仕事はどういうことをしたんですか?

橘:社会人経験もなく、いきなり秘書として働くわけですから、何も分からない私はとても苦労しました。しかも、その代議士が永田町でもとても有名な副総理クラスの代議士だったんです。

 

後から知ったことですが、「どうせ経験するんだったら、私が知っているなかで最も力のある代議士を紹介してやろう」という、ゼミの先生の思惑があったようです。最初に挨拶に行ったとき、先に入られていたお客様が出てくるのを待っていて、そのお客様が帰られた直後、代議士の先生が周りにいる事務所のスタッフを怒鳴っていて、挨拶することをためらってしまいました。

引き返そうと思いましたが、ここで帰っては、先生の顔に泥を塗ってしまうと思い、なんとか挨拶できたくらいでした。そんな代議士の秘書業務というのは鞄持ちから始まりました。社内では助手席に座り、先生に新聞紙を渡すというのも私の仕事の一つでした。この新聞紙を渡す仕事も気配りが必要で、日経、朝日、読売、毎日というように読む順番というのが決まっており、その通りに渡さなければいけなかったくらいシビアでした。

 

あるとき、いつも通り、日経新聞から渡すと、「おい、馬鹿野郎、今日は朝日新聞だろ」と怒鳴られました。前日に朝日新聞から取材を受けており、今朝の新聞にその記事が出るということを気付けということだったんです。

言われなくても先手を取って、相手の求める気持ちを読む。基本的にはマニュアルはありますが、状況に合わせて、相手の求めることを察するということは、ここで学びました。

 

51%の面白さが忘れられない

松本:秘書業務は何年くらい続けたんですか?

橘:3年半ほど続けて、その後、祖父の会社に入社しました。祖父の会社を盛り上げようと入社したものの、政治家秘書という仕事が忘れられず、1年ほどで祖父の会社は退職しました。

秘書という仕事はもちろん厳しく、割合で言うと、51%が面白い、49%が吐きそうなほど辛く、常に1%、面白さが勝つか、辛さが勝つかのせめぎ合いでしたが、国を動かす現場を肌で感じられるような、普通に生活していると経験できない面白さだったので忘れられませんでした。

 

区議会議員を目指した時期もあった

松本:次の仕事はどうしたんですか?

橘:まだ若かったので、いろいろ経験を積もうと思い、ボランティアをやったり、介護の資格を取ったりしました。あるとき、民主党の代議士が次の世田谷区議会議員の候補者を募集しているというポスターを見つけ、自分で世の中を変えたいという気持ちが強まり、応募し、「大物代議士の秘書経験もあるし、面白い」ということで採用されたんです。

 

そして、2年後の区議会議員の選挙を目指すことになりました。ところが2年後、「お前に変わる候補者が現れたので降りてくれ」と唐突に言われたんです。私はすでに街頭演説も行っており、準備万端だったので愕然としました。

 

しかも、その候補者をバックアップしてほしいとまで言われ、どうするか悩みましたが、自分で地固めをした地盤から代わりの人間が出馬し、それをバックアップしろと言うんだったらやってみようと気持ちを切り替えたんですね。どうせ去るなら何か結果残して去ろうと思ったんです。

いざ選挙を迎え、世田谷区議会は52人の定数に対して、80人出馬するのですが、トップ当選しました。議会の席を争う倍率が日本一の世田谷区で、素人も当然の候補者に結果を残せたということは非常に嬉しかったですね。その後、政治の世界からは離れました。

 

役員運転手のバイトがきっかけで起業に至る

松本:政治の世界から離れたあとは、どういう道を歩んできましたか?

橘:政治の世界から離れたときは34歳くらいでした。一般企業に就職しようと面接を受けますが、不採用が続き、人が経験したことのない政治家の秘書業務をやっていたのに、なぜ受からないんだと悩みました。当時お付き合いしていた女性が子供を授かり、いよいよ仕事を決めないといけないというとき、知人から、「役員運転手が足りないからバイトをやらないか」と言われたんです。

 

それまで、解体屋や廃品回収など、いろんなバイトをしましたが、運転手として、久しぶりにスーツを着ると、秘書をやっていたときのハリのある気持ちを思い出しました。役員運転手ですから、お客様は社長様で緊張感があり、達成感のある日々でした。

しかし、雇われていた派遣会社が給与の計算ミスをするなど、とてもいい加減な労働管理だったんです。「自分だったら、もっと運転手のことを思った経営ができるんじゃないか」と感じました。

 

もっと言うと、この社長で経営できているのだから、私なら、運転手と一丸となって会社を盛り上げていけるという自信が生まれたんです。とは言え、起業することは一大事ですから、その会社でノウハウを吸収し、ビジネスプランを練って、しっかり設立準備をしてから起業しました。

 

ホームページで集客し、ハローワークで運転手を採用

松本:起業時の集客や運転手の採用どのように行いましたか?

橘:起業したのは今から4年前で、集客はホームページで行いました。運転手を必要としているお客様の市場が非常に小さいです。世の中に社長様はたくさんいますが、運転手を必要とする社長様はどれだけいるのかということです。

 

ですから、飛び込み営業はあり得ない。DM、チラシも意味がないということは、こちらがアクティブに動けず、常に受け身です。以前、アルバイトしていたときに、こちらが営業力を持っていなくても、お客様から問い合わせがくるということは理解していたこともあり、ホームページで集客を行いました。

もちろん、ホームページはSEO対策をし、検索結果が上位に表示されるようには工夫しています。運転手の採用については、求人媒体だと掲載費用がかかるので、無料で利用できるハローワークを活用しました。

 

自分自身も運転手として勤務

松本:起業当初からお客さんはきましたか?

橘:ありがたいことに、ホームページ開設後すぐに問い合わせがありました。ただ、ドライバーの確保が難しく、人手不足になり、私自身も週に2日、運転手として勤務するということになりました。

 

経営者自ら勤務するということに不安はありましたが、週に2日は運転手、残りの5日は事業経営に回るという体制を取りました。今でも週に2日は運転手として勤務しています。

そうすることで、常に運転手としてスキルが維持でき、運転手に最適な教育ができると考えています。運転手から、「運転もしないで、偉そうに」と言われないように日々勉強できており、このような体制を取るきっかけとなった、最初のお客様にはとても感謝しています。

 

1年目は赤字決算で苦労した

松本:経営は順調に進みましたか?

橘:自分自身が週に2日は乗務し、残りの5日で事業を回し、お客様も運転手も増えてきて、売上も伸びてきましたが、初年度は、資本金1,000万円でスタートし、500万円の赤字となりました。

ところが、2年目は800万円利益があり、1年で累損を消しました。この仕事は何か商材があるわけではなく、お客様と信頼関係を築き、継続してご利用いただくことで売上が伸びるものだと思っております。信頼している運転手の頑張りと、弊社を信頼してくれるお客様のお陰で、2期、3期、4期と黒字決算できています。

 

ビジネスモデルはよく検討すること

松本:これから起業するにあたって、どういった分野に進もうか迷っている方にアドバイスをお願いします。

橘:以前、ホリエモンが、「今から起業するなら、次の五つに当てはまることをやりなさい」と言っていたんですね。一つは資産を持たないこと。二つ目がイニシャルコストをかけないこと。三つ目が売上が継続するビジネスであること。四つ目が粗利益率が高いこと。五つ目が在庫持たないことと言っていて、うちはそれに当てはまっているんですね。

私の場合は、最初からお金をかけて店舗を持ったり、社員を抱えるのではなく、一人でもスタートできるという、一番リスクの少ない仕事ができたということはラッキーだったと思います。やはり、起業は良いことばかりではなく、リスクも負うので、よくビジネスモデルを検討してからのほうがいいと思います。

 

「お金の集め方はケースバイケース」

松本:起業時の資金はどのくらい用意したほうがいいですか?

橘:私は運が良く、祖父が「何か困ったときに使いなさい」と、1,000万円を残してくれていたので、それを使いました。ですから、偉そうなことは言えないんですが、金額の大小というよりも資金の集め方が重要だと思います。

時間をかけて自分で資金を集めるのか、あるいは、ビジネスモデルを完璧に作り上げて出資者を募るのか、どういう事業をしたいかによって、ケースバイケースで資金繰りを考えるべきだと思います。

 

お客様の質、運転手の質を高めたい

松本:今後の目標を教えてください。

橘:運転手の市場というのは非常に小さいです。東京でうまくいったからといって、次は、名古屋、大阪と広げる仕事ではありません。市場は小さいですが、そのなかで、運転手の質を上げることはもちろんですが、お客様の質も上げていければと思っています。

お客様の質というのは、いろいろなおお客様がいるなかで、反社会的な方もいらっしゃいます。売上が伸びるからといって、そのようなお客様と無理に付き合うのではなく、良いお客様と良い運転手と長く仕事をしていくことに力を入れていくことが今後の目標です。

 

起業は早ければいいというものではない

松本:これから起業を考えている方にメッセージをお願いします。

橘:私は紆余曲折を経て、起業したのが40歳という遅咲きでした。ですが、もし、この役員運転手事業を20代や30代で起業しても、うまくいかなかったと感じています。成功できたのは経験をしっかり積んだうえで起業したからだと思います。

 

商談する際は、社長様相手ですから、30代の自分が商談に行っても、経験が足りず、話にならなかったでしょう。「私にお任せください」と言って、お客様に信頼を得て、売上に繋がるわけですから、経験を積んだ40代で起業できたことは良かったと感じています。

ですから、みなさまも起業するのに遅いということはありませんので、いいタイミングが訪れることを信じて、焦らないでほしいなと思います。

 

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株式会社トランスアクト 代表取締役社長 橘秀樹

トランスアクトは、企業のエグゼクティブを中心とした人材派遣の会社です。各企業の代表や役員ら、ビジネスキーパーソンのハイスキルな仕事をサポートします。

事業内容は大別して「役員運転手派遣」と「役員秘書派遣サービス」の2つです。運転手は高レベルの運転技術のほか、一流の接客マナーを身につけています。秘書業務も徹底した教育で、ビジネススキル・接遇マナーを取得しています。

大切な人に安心・信頼して職務に専念していただけるよう、資質の高い優れた人材のご紹介と環境づくりをご提供しております。人材派遣、人材紹介、紹介予定派遣、業務委託など、お客様のご要望に合わせて最適なご提案をさせて頂きますので、お気軽にご相談ください。 当社スタッフの誇る「気配り・心遣い・おもてなし」のサービスから、ちょっとした喜びを貴重な一瞬一瞬のなかに感じ取っていただければ幸いです。

株式会社トランスアクト
https://transact.co.jp/​

 

 

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